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無を有にする、という体験

みなさん、こんにちは。MAMEHICO東京メンバーの武田栞です。

先月、エトワール★ヨシノさんの音楽劇「脱走兵と群衆」を観に行きました。
もともと観劇が好きで、劇団四季や宝塚を観に行くこともありますが、エトワール★ヨシノさんの舞台は今回が初めてでした。
一人芝居も、「カフェでお芝居を観る」という経験も初めて。
少し緊張しましたが、とても濃密でユニークな体験ができました。

感想に入る前に、まだ観ていない方に向けて、あらすじを載せておきます(MAMEHICOのホームページより抜粋させていただきます)。

1960年代、東南アジアの戦地に慰問団の歌手として派遣されたヨシノは、任務を終え帰国目前だったが、ある夜の「ピアノ事件」をきっかけに帰国名簿から名前が消され、拠点に取り残される。
現地の通信兵ミーリンと心を通わせる中で、この拠点が見捨てられる計画を知り、ふたりは脱走を決意。
雨季の水路を使って命がけで逃げのび、ミーリンの故郷を訪れるが、戦争の爪痕と、変わってしまった家族の姿に直面する。

さて、今回の観劇で改めて衝撃を受けたのが、生歌・生演奏の迫力です。
これまで観た舞台の中で、演者と観客の距離が最も近く、ステージと客席の段差もそれほど高くありません。
そのため、「舞台の上で起きていること」ではなく、「目の前で起きていること」のように感じられました。

至近距離から放たれるヨシノさんのエネルギーの強さに、歌唱の場面では思わず目を閉じてしまうほど。
今はサブスク配信でさまざまなコンテンツが楽しめる時代ですが、「同じ空間を共有する」ことでしか得られない感動が、確かにあるのだと思いました。

そして、舞台の面白いところは、表現者(と観客)の力で、無を有に変えられるところだと思います。
映画やドラマでは、カフェのシーンにはカフェのセットを、学校のシーンには学校のセットを組みますが、舞台では「ここは戦場だ」と言えば、そこが戦場になります。

さらにこの作品は、ヨシノさんの一人芝居。性別や世代を超えて、さまざまな役を演じ分けていきます。
私たち観客は、限られたセットと一人の表現者から、数十年前の戦場と、そこに生きる人々に思いを馳せます。
想像の余地が大きい分、観客はそれぞれ異なる景色を観て、多様な感想を抱くのではないでしょうか。
私自身は、少しミーリンに似ているところがある気がして、彼女に感情移入しながら観劇しました。

最後にもうひとつ、この舞台のすごいところは、無料・予約不要・ロングランであることです。
演劇界隈では、日本は舞台を観るハードルが高すぎると、しばしば言われています。
チケット代は高く、座席を選べない場合も多い。
何ヶ月も前にチケットを購入しなければならなかったり、公演期間が短かったりすることもあります。
そんな中で、MAMEHICOが提供している「お気に入りのカフェで舞台をやっていると聞いて、ふらっと観に行ったら楽しかった」という体験は、とても贅沢なものだと思いました。

舞台は休憩を含めて約2時間半。お食事もできます。
まだ観劇していない方は、ぜひどうぞ。

 

「脱走兵と群衆」
出演 / エトワール★ヨシノ
作・演出 / 井川啓央
日時: 1月29(木)、30(金)、31(土)
場所: MAMEHICO銀座

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    強さ: 非常に弱い