根を抜き、思いを植える

こんにちは。MAMEHICO東京メンバーの野谷瑠美です。
先月に引き続き、11月の庭づくり遠足に参加してきました。

今回で4度目の訪問。
秋が深まった11月は、紫香邸で過ごすにはとても気持ちの良い季節です。

庭づくりも回を重ねるごとに、少しずつ変化してきました。
今月は、地面を掘り起こして大きな木の根を抜いたり、コンクリートを斫って花壇を作ったり。
小型のユンボが大活躍の回でした。
スタッフの美香さんは庭づくりのために免許を取ったのだそうで、すごいなぁ、と感心です。
「とにかくやってみる、やりながら考える」精神にあふれています。

私は、枝いっぱいに実をつけた柿の収穫もお手伝いさせていただきました。
3mほどの造園用のはしごに登ってもぎ取るのですが、一番高いところまで行くと恐怖で動けなくなる瞬間が訪れます。
枝の弾力もなかなかで、どこにはしごをかけるか、どの枝を押さえるかなど、作戦を立てながらの作業。
試行錯誤しながら進めるその時間も、非日常的でとても面白い体験でした。

今回は、「庭道部」という庭づくり活動をしている東京農業大学の学生さんたちも参加されていました。
好きなことをしている姿は本当に眩しく、マルジェラ風の足袋など造園ファッションもとにかく格好良い。
次回は「建仁寺垣」という竹垣と苔を持ってきてくれるそうで、こちらもまた面白い方向へ流れていきそうな予感がしています。

MAMEHICOには、世の中と少し違う流れがあるようです。
見た目はボランティア活動のようでも、人が自然と集まってくる稀有な空間。
何かの見返りや契約ではなく、それぞれの「面白いかも」という好奇心で繫がっているように感じます。

でも、その土台にはオーナーの井川さんとスタッフの皆さんの日々の活動と優しさがあります。
思想を日々発信してくれているからこそ、それに気付いて共感できる。
いつも声をかけてくれて、受け入れてくれる土壌を作ってくれるからこそ、安心してそこに居られる。
そのおかげで、参加する私たちはたくさんのものを受け取ることができます。

「ただそこに居るだけでいい」。
自分に素直で、自由に生きることを許された場所。
人によっては心地よく、人によっては少し居づらさを感じることもある場所。
それでも、意図や計らいを持たず、ただそこに居られる存在でありたいものです。

壊して、直して、終わりのない庭づくりはまだまだ続きます。
来月はどんな展開になるのか、今から楽しみにしています。

 

【紫香邸をみんなで守り育てたい】
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