暮らしに根づく庭

みなさん、こんにちは。MAMEHICOの星野美津子です。
普段は地元・群馬県桐生市で、MAMEHICO紫香邸の運営をしています。

紫香邸は、建物のまわりをぐるりと庭が囲んでいて、その庭も私たち自身で「ああでもない、こうでもない」と言いながら手づくりしています。
東側には小さなハタケをつくり、今年は「カボチャを植えてみよう!」と挑戦しています。

畑にするための土づくりは人手が必要だったので、MAMEHICOメンバーや井川さんの協力で力仕事をしてもらいました。
土を掘り起こし、大きな石や木の根を取り除き、緑肥としてクローバーやひまわりを植えたのが、ちょうど昨年の今ごろです。
その後も耕運機をかけたり、裏庭でつくった堆肥を混ぜたりしながら、1年かけてふかふかの土に育ててきました。

そして今年、「いよいよ植えるぞ!」と、畝をつくり、マルチを敷いて、かぼちゃの苗を8つ植えました。
ここからは、日々のこまやかな作業が続きます。

雨が降らない日は水やり。
苗を植えて1か月ほど経つと、つるがぐんと伸びてきます。
「つるの整理」という作業があって、最初に伸びたものを「親づる」、そこから出てくるのが「子づる」、さらにその先に伸びるのが「孫づる」と呼ばれます。
花や実をつけさせたいのは「子づる」なので、親づるから子づるが3本出たら、それ以降は切ってしまいます。
また、子づる1本につき、実を2個だけ育てるのが理想だそうです。
その方が甘くておいしい実になるのだとか。

実がなるのは、花の下がぷっくり膨らんでいる「雌花」。
よさそうな雌花を2〜3個だけ残し、「芽かき」をして栄養を集中させます。

葉っぱが混み合ってくると、白い斑点が出てきて「うどんこ病かな?」と思い、最初は葉を切っていました。
でも、切ってばかりでは葉がなくなってしまうので、最近は酢を薄めた水を表と裏にスプレーして、「治療しながら生かす」方法にも挑戦しています。

かぼちゃのつるはとても繊細で、少しの刺激で簡単に折れてしまいます。
くねくねと伸びたつるの間をかき分けながらの作業は、まるで修行。ヨガみたいです。笑
早起きして、汗をかいて、日に焼けて、蚊に刺されて……クタクタになりますが、毎日がとても爽快です。

毎朝6時ごろに畑を見に行くと、黄色い花がぱかっと咲いていて、それだけでうれしくなります。
虫や蜂が来て自然に受粉してくれるかと思いきや、なかなかうまくいかないので、「花合わせ」という人工授粉をしています。

開いた雄花と雌花を見つけて、「この子とこの子にしよう!」と、まるで世話焼きのおばちゃんのように選びます。
雄花の花びらをむしって雄蕊をむき出しにし、それを雌花の中心に「こんにちは」とあてて、花粉を雌蕊につけます。
毎朝、2つほど咲く雌花に、こうしてせっせと手作業で受粉しています。
そしてようやく…実がなってきました! かわいい!

こうして、みんなで手間ひまかけて育てたことで、庭が「生きた庭」になってきています。
庭のある古民家だからこそ、できることだなと感じています。

庭仕事を手伝ってくれる方も募集しています。
ぜひ、一緒に「生きた庭」をつくりましょう!

 

庭の手入れや準備・片付けなど、現場の力が欠かせません。 旅の気分で、時には土にふれてみませんか?