日々に宿る小さなつながり

こんにちは!MAMEHICO東京スタッフの前島由紀です。

自転車で走る風が心地よい初秋の季節。
今年は一気に秋がやってきたように感じます。
青々していた木々は少しずつ色づき、紅葉の気配を見せ始めました。
朝晩には秋の虫が涼しげに鳴いています。

私は通勤で自転車に乗るのですが、道中でヒヤッとすることがあります。
前を走る自転車の後ろについていると、急に右折されたりする。
イヤホンをしていて外の気配に気づいていないことも多いです。
また、前から歩いてくる人がスマートフォンに夢中で、目の前の自転車に気づかないこともあります。

先日の会議で、井川さんがこんなことを話していました。
「コミュニケーションが大事だよ。
あるものを見るのではなく、見えないものを予測すること。
誰かのミスはお店全体の損害になるからね。お互いに声をかけ合うこと」

さらに、井川さんはYouTube「天才よち丸ラジオ」で「自他不二」の話もしていました。
それは、自分と他人を分けず、そもそも背景などなく、すべては一つにつながっているという考え方です。
自分が機嫌よければ相手もよくなるように、お互いは常に作用し合っている。
仏教にも通じる少し難しい考え方ですが、なるほどと思いました。

私たちの仕事はチームプレーです。
お店という一つの箱の中で、お客さんを迎え入れ、冷たいお水を出し、温かいお茶とお菓子で和んでもらう。
音楽や季節の花があり、ときにはスタッフとの会話もある。
言葉にすればそんな日常ですが、すべてはつながっています。

お客さんが楽しければ私たちも楽しい。
私たちがこの店を好きで働いていれば、お客さんもきっとこの店を好きになってくれる。
誰かの失敗も「関係ないこと」ではなく「自分ごと」であり、お店全体のこと。
そう思うと学びは広がり、世界も広がる。
そんなことを考えた、通勤風景でした。

井川さんに教えてもらった金子みすゞさんの詩を最後にご紹介します。
自分は独りではなく、いつもすべてのものの中にいるのだと教えてくれます。

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『蜂と神さま』

蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。

そうして、そうして、神さまは、
小ちゃな蜂の中に。
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