手に宿るぬくもり

こんにちは。MAMEHICO紫香邸スタッフの原幸子です。

MAMEHICOでは安心安全な材料はもちろん、器やカトラリーにも心を配っています。
中でも私が特に好きなのが「お椀」です。

初めてMAMEHICOで飲んだお味噌汁があまりにも美味しくて、自宅でも同じように作っていました。
けれど、お店の味とどこか違う。
よく考えてみると「お椀」が違っていました。
手にそっと馴染む感触、口当たりの柔らかさ、木がもつほのかな香り──器ひとつで、味わいそのものが変わるのだと感じました。

買おうかなと迷いました。
自宅にもお椀はあります。困ってないし、十分にことは足りています。
それでも「あのお椀がほしい」と思った瞬間がありました。
なくても生活はまわる、けれど、そのお椀には、食器であること以上に受け取るなにかがあったのです。

迷った末に、ひとつだけ買いました。
手に取った瞬間、ただの道具ではなく、「大切にしたいもの」がひとつ増えた感覚がありました。
食事とは、食材だけでなく、器まで含めての食事なのだと改めて思いました。
高価である必要はないけれど、手に馴染み、使うたびに心がすっと整うもの──そんな器を選ぶ姿勢を、MAMEHICOで教わりました。

紫香邸で使っているお椀は、そのとき私が感銘を受けたお椀です。
山間の木工所でひとつひとつ手作業で作られているそうです。
けやき、栗、とちのきなど、無垢の広葉樹の色をそのまま生かしたお椀。
木の表情がそのまま器になり、手に取るとやわらかな温かさが伝わってきます。

お椀ひとつにも、作り手の想いと愛着が宿っています。
そうしたものに触れると、私は今日もまたがんばろうと思えるのです。