思いがけない花が咲く

みなさん、こんにちは。MAMEHICO東京スタッフの草ヶ谷美香です。

先日、福岡・糸島で大変お世話になった大工の棟梁が、桐生の紫香邸を訪ねてくださいました。
この棟梁は、九州一円の宮大工を束ね、伝統工法を学び、伝え、守り続ける活動をされています。
日頃は古民家や神社仏閣・文化財となった建物の改修にも携わっている方です。

「ぜひ一度、築90年の建物をMAMEHICOにした紫香邸にお連れしたい」と、井川さんが以前からお誘いしていたのですが、ちょうど東京出張の予定があると伺い、この機会にご案内することができました。

棟梁が紫香邸をぐるりと見て回ると、
「床の間の落とし掛けに使われている木は柿の木で、黒柿と呼ばれるとても貴重な材だよ」
「この茶室は構造からすると、煎茶を楽しむために設けられたのではないかな」
といった具合に、たくさん教えてくださいました。
普段見慣れている紫香邸の、知らなかった一面に触れる時間となりました。

そしてその足で、近隣の神社やお寺、織物の町として栄えた時代から残る古い建物も一緒に歩いて回りました。
神社の装飾を通して九州の神社の建築様式との違いを語っていただいたり、古い庄屋さんの建物の補修跡から元々の状態を教わって想像してみたり。
ここでもまた、建築や歴史について新しい視点で味わうひとときとなりました。

福岡にMAMEHICOをつくることになったとき、棟梁と一緒に、参考になる古い邸宅や古墳、美術館を一緒に巡り、どんなお店を作ろうか?とイメージを一緒に作っていったのですが、そんなことも懐かしく思い出されました。

昨年、私は福岡のMAMEHICOのオープン準備のためにしばらく福岡に住み込んで準備をしてたんですが、様々な事情が重なりオープンは延期に。
いまだお店は形にはなっていないものの、その過程で出会った方々とのご縁は、こうしていまも繋がり続けています。
棟梁とも、またいつか何かを一緒にできるのではないかな?と、そんな予感を感じる1日となりました。

MAMEHICOにいると、「まさかあの出会いが、こんな未来に繋がるなんて!」と思う出来事が少なくありません。
例えば、イベント会場として利用していたコンサートホールが、ホールのオーナーとの出会いやご縁の中で紆余曲折を経て今のMAMEHICO銀座となったのも、そんなことのひとつです。

ひとつの出会いが、どこでどう変化して、どんな花を咲かせるのかは誰にもわかりません。
だからこそ「人生は面白い」ということを、私はMAMEHICOで日々体感することで教わっています。