こんにちは。MAMEHICO演劇部の永井宏佳(ひろし)です。
まずはじめに言っておく。
これは絶対に観といた方がいいやつだ。
なぜならこのような作品は、ここでしか生まれ得ないし、ここで生まれるべくして生まれた作品だから。
他では観られません。
けして誇張ではありません。
きっと、スピルバーグにも作れないし、ユニバーサルピクチャーズにも、ユニバーサルスタジオをV字回復させ、勢いで沖縄にハリボテテーマパークを作り不評を買った、あの敏腕マーケターにも作れない。
『脱走兵と群衆』は別名『MAMEHICO』だ。
井川啓央が20年かけて培ってきた、「MAMEHICO」というプロダクトの集大成が『脱走兵と群衆』なのである。
そもそも「MAMEHICO」とは、井川啓央という、ひとりの「もの好き」による個人プロダクトだ。
不思議なもので、「もの好き」の周りには「もの好き」が集まる。
ぼくも、彼の周りを周回する「もの好き」の1人だ。
もの好き達が、好き好きに自身の特技や趣味を活かし、大道具を作ったり、料理を作ったり、芝居をしたり、草むしりをしたりしながら、彼の酔狂に手を貸したり、足を引っ張ったりしている。
カフエ、舞台、映画、連続ドラマ、音楽ライブ、もの好き井川と、もの好き達は20年で実に多くのものを作り上げてきた。
ぼくは周り始めてまだ5年くらいだけど、非常に多くの経験をさせてもらった。
井川啓央は、実に面倒見のいいもの好きだ。
わらわらと人が集まってくる。
その出会いにあやかれるのも、ありがたい。
ぼくにも友達がずいぶん増えた。
こないだ三軒茶屋のマメヒコに行ったら、入れ替わり立ち替わり3組の友人に会った。
とまぁ、そんなこんなしていたらいつの間にか、製作、制作、劇場制作、食事メニュー、大道具、小道具、音楽、音響、脚本、監督、舞台監督、主演、全て「井川啓央」という、訳の分からない作品が出来上がってしまったというわけだ。
そして、舞台の上には、彼ひとりである。
たまに、「構想20年」みたいな触れ込みの大作映画のCMがやってる。
しかし、本作は構想ではなく、「実行20年」だ。
20年前、三軒茶屋のCAFE Mame-Hicoの開業に始まり、数多の実行と、実行が紡いだ多くの出会いが、この金字塔的作品を作ったのだ。
中身についてはあえて触れない。
来て観て触って確かめてくれ。
なんと次回の公演は来月10/16(木)もうすぐだ。
そして、なぜか観劇は無料。
何から何まで、もの好きである。
ここまで言って行かないなら、行かなければいい。
きっと当たり障りのない選択を、これまでもしてきたのだろう。
あなたの人生なんか知ったことではない。
でもこの文章を読んでる時点で、割ともの好きな部類だと思う。
せっかくこれを読むくらいのもの好きに生まれたのなら、銀座に足を運んでみてはどうだろう。
何かのきっかけになるよきっと。

音楽劇「脱走兵と群衆」
2025年10月16日(木)
開場18:00 /開演19:00



