こんにちは。MAMEHICO神戸・御影店長の渡辺 臣将(しげまさ)です。
最近の僕といえば、定休日になると、ほぼ毎週カメラを担いでどこかへ向かっています。
いま、MAMEHICOでは動画コンテンツに本格的に取り組みはじめていて、その神戸の現場を僕が担当しています。
ショート動画全盛のこの時代。
「MAMEHICOって、結局なにをやってるの?」
そう訊かれるたび、言葉ではなかなか伝わりきれないもどかしさを感じていました。
だったら、ちゃんと見せよう。空気ごと、伝えよう。
そんな思いで、MAMEHICOの日々を“動画”というかたちで残すことにしたんです。
たとえば、神戸で人気の季節の花の会を担当してくれている、紫水・一谷美智子さんをフィーチャーした【暦の手帖】シリーズ。
これは、プロデュースと編集をMAMEHICO代表の井川さんが、撮影とディレクションを僕が担当するという形で、連載がスタートしました。
撮影現場は、正直なところ、なかなかの体力勝負です。
事前にロケハンをして段取りを組み、当日は雨のなか、炎天下のなか、朝から晩まで動きっぱなし。
尺にすれば数分。でも、そこにかけた時間とエネルギーは、その100倍かもしれません。
撮影が終わる頃には、レンズは汗と雨で曇り、僕の頭も同じく曇っています。笑
そんな汗と泥まみれの素材を、いそいそと井川プロデューサーに提出すると、返ってきた言葉は──
「これはこれ、それはそれって感じで絵が全く繋がってない。素材を並べただけじゃ“作品”にはならない。不自然なものを、自然に見せる。それがお前の仕事なんだよ」
「お前の普段の仕事のやり方もそうだ。課題をひとつずつ潰す。それはそれで大事だけど、“その間”をどう滑らかに繋ぐかが腕なんだ。
料理だって同じ。酸味と甘味、油と水。バラバラなままじゃ料理にはならない。乳化してはじめて“料理”になる。動画もカフェも、そういうグラデーションを埋めていくことなんだよ」
そうか。
僕は、4Kの画質やレンズの性能、構図や色味、ボケ感といった“良い画”を撮ることばかりに気を取られていました。
でも、肝心の「なにを伝えたいか」という問いには、まったく向き合えていなかった。
どんなに高い機材を使っても、どんなに綺麗に撮れても、そこに“意図”がなければ、見る人には届かない。
じゃあ、何を伝えたいのか。
それは、MAMEHICOとして、僕たちが“何を成し遂げたいのか”ということ。
それって、カフェ仕事もまったく同じなんです。
珈琲、デザート、空間や時間。それらを通して、僕たちはお客さんに何を感じてもらいたいのか。
「美味しかった」だけじゃなくて、「また来たいな」「なんだか居心地がいいな」と思ってもらえること。
ときには「ちょっと関わってみたい」とか、「応援したい」と感じてもらえるような、そんな空気をどうやってつくるか。
動画を撮っているつもりが、気づけばMAMEHICOというカフェの本質を、あらためて勉強しているような気持ちになります。
修行の旅は、まだまだ続きそうです。



