タダヒコがくれる一体感

みなさん、ごきげんよう。MAMEHICOの日野です。

わたしはもともと、大勢の集まりや集団行動があまり得意ではありません。
人が多くなると、どこかよそよそしい空気や、表と裏が交じるような雰囲気を感じてしまい、小さい頃からどうにも馴染めないのです。

けれど、タダヒコの日だけは不思議と違います。
お店の中にいる全員が、一丸となってやりきったという空気が満ちていて、その場に立ち会えることが、わたしにはたまらなく嬉しいのです。

タダヒコは、珈琲やデザートなどが“タダ”になる特別な日です。
でも、本当に特別なのは、無料で提供することそのものではなく、この日だけ生まれる「空気」です。

満席の店内では、いつも客席にいる常連さんが、自然に洗い場に入り、慣れた手つきでお皿を洗っています。
入口では、ご案内役が初めてのお客さんに「今日はタダヒコの日で、すべて無料なんです」とにこやかに伝え、驚きの表情が広がります。
店の奥では、MAMEHICOやタダヒコの由来を熱心に語る人もいて、その言葉には、自分の感じたことを素直に伝える力があります。

気づけば、常連さんもスタッフも初めての方も、自然に役割を見つけ、席を案内したり、注文を取ったり、洗い物をしたりしています。
それぞれが自分の場所で動きながら、全員でひとつの呼吸をつくっている──そんな一体感が生まれます。

タダヒコは、スタッフとお客さんという関係を超え、そこにいる全員でお店をつくる日です。
集団が苦手な私が、心から「ここにいたい」と思える、かけがえのない一日。
今年もまた、あの心地よい空気に包まれることを楽しみにしています。

 

2025タダヒコ@MAMEHICO銀座
10/2(木)〜6(月)
11/20(木)〜24(月)