こんにちは。井川さんのもとで、なんでもサポートするのが好きな、なかじゅんこと、なかがわじゅんこです。
さて今回の「銀座洋食屋@紫香邸」第2弾も私は、キッチン補佐として参加しました。
初回からまだ数ヶ月しか経っていないのに、キッチンの空気はずいぶんと変わっていました。
前回は、ただがむしゃらに手を動かしていました。
シェフである井川さんの指示を聞き逃さないように、ミスをしないようにと、緊張しきっていて、全体を見渡す余裕なんてありませんでした。
でも今回は、少し景色が見えていました。
やるべきことが身体に入っていたからだと思います。
ただ、想像以上に暑かった。
前回は手がかじかむほどの寒さだったのに、今回は汗が止まらず、軽く熱中症になりました。
私は首にタオルを巻いて、朝から晩まで動き回りっぱなし。
井川さんも、あの厚手のコックコートで、さぞ大変だったと思います。
デザートはチーズケーキを。
今回はあらかじめ焼いて、冷凍保存しておいたものを持参しました。
そのぶん、現場では落ち着いて提供することができました。
前回は銀座からオーブンを持ち込み、合間にケーキも焼いていたので。笑
チーズケーキを「おいしかったから」と1本まるごとテイクアウトしてくださるお客さまもたくさんいらして、とても励みになりました。
前回よりパワーアップした今回でしたが、うまくいったことばかりではありません。
ステーキとハンバーグを一緒に出す予定だったご注文で、先にステーキを焼いてしまい、ハンバーグの焼き上がりを待つあいだに冷めてしまい、出すことができませんでした。
せっかく焼いたステーキを処分することになってしまい、悔しい気持ちになりました。
また、井川さんが「ハンバーグ焼けたよ」と声をかけてくれたとき、副菜の盛りつけが間に合わず、提供が遅れてしまったことも。
どちらのときも私は、別に入った「赤城山あんみつ」の注文に気を取られていたのです。
私たちMAMEHICOのスタッフは、つい目の前のことをすべて「やります」と引き受けてしまうクセがある人が多いのです。
「できません」と言わない人たちの集まりだからこそ、うまく連携が取れずに、失敗してしまうことがある。
頑張りたい気持ちのスタッフばかりなので、みんな頼もしいですが、それが裏目に出てしまう場面も少なくありません。
夜の反省会で、井川さんが言いました。
「なんで基本ルールを決めていないの?」と。
誰がどこまでを担当するのか、何を優先するのかをルール化しないまま、それぞれが「良かれ」と思って動いているから破綻してしまうのでしょうと。
「君たちはルールを敵視しすぎるよ。
ルールやマニュアルは考えずに動けるためにあるべきなんだよ。
でも、現場ではもちろん例外が起きる。
そのときは、臨機応変にルールを歪めればいい。
それも、基本のルールがあるから例外だと認識できるんだよ」。
その言葉に、私は深く納得しました。
慌てたときも、何を優先すべきか分からなくなるからです。
そんなときのために、基本的なルールを決めておくことは、とても大切だと実感しました。
紫香邸の営業の合間には、庭の手入れも行いました。
草刈りをしたり、畑を耕したり、かぼちゃやバジルを植えたり。
東京から応援で紫香邸に入っている身としては、滞在中にできることを一つでも多くやって帰りたいのです。
さて、次回の紫香邸企画は、「紫香邸、カレー屋になります」です。
洋食とはまったく違う流れになりますね。
スパイスの管理、煮込みの時間、提供時の温度。
注意すべきことは増えますが、私たちが目指すものは、いつだって同じです。
「美味しいタイミングで、美味しいものを届けること」。
そのためにまた、準備を重ねて臨みます。
紫香邸で、みなさんとお会いできる日を楽しみにしています。

2025.7.12&13
銀座カレーとアイスコーヒー
MAMEHICO紫香邸にて