珈琲豆の艶感と焙煎度の関係

こんにちは。
MAMEHICOスタッフの草ヶ谷美香です。

MAMEHICOの珈琲豆は、オープン当初からいままでずっと、北海道・札幌の菊地珈琲さんで焙煎したものを送ってもらっています。

20年近くMAMEHICOを続けてきた中で、扱う珈琲豆のラインナップはその時々で少しずつ違いますが、深煎りのもの、浅煎りのものを両方使い続けていることはオープン以来変わりません。

深煎りは酸味が少なくすっきり飲みやすい。
浅煎りは酸味が強いので、そのままでは飲みにくいと感じます。
そんなときは、お砂糖やミルクと合わせていただくと、中和され、まろやかになり、飲みやすくなります。
こういった味の違いを楽しんでいただけたらと、焙煎度合いの違う、いくつかの珈琲をお出ししています。

一般的に浅煎りの珈琲豆は明るい茶色で、豆の表面はマットな質感です。
対して、深煎りの珈琲豆は、焙煎が深くなるほど黒に近い焦茶色をしており、豆の表面もツヤツヤのオイル(コーヒーオイルと呼ばれています)をまとった状態になります。

そもそも、珈琲豆は植物の種子なので、「(発芽して根から栄養を吸収できるようになるまでの間の)成長に必要なエネルギー」として、油分を蓄えています。
ゴマや米、大豆など、種子には油分が多いものが多いですが、そう考えると納得ですね。

焙煎が進むほどに、中の水分が抜けていき、内部の水分と油分の量のバランスが変わっていきます。
それは、水分がより少ない深煎りの珈琲豆ほど、その油分が豆の表面に出てきやすくなるということです。
表面にオイルを纏っていない浅煎りの珈琲豆の油分は、周りの水分に阻まれてなかなか外には出られず、豆の内側に潜んだままなんですね…!

珈琲豆が空気や湿気などの外気に触れることで、徐々に起こるのが「酸化」です。
「油が酸化して独特の風味に変わって美味しさを損なう」
これは、揚げ物の油などを思い浮かべていただくと想像しやすいかなと思いますが、コーヒーオイルの酸化によっても風味は変化します。

私の経験では、コーヒーオイルを外側に多くまとっている深煎り系の豆の方が、内側に油を蓄えている浅煎り系の豆よりも、油が空気に触れやすい分、味や香りが変化していくスピードは速いように感じます。

だからこそ、MAMEHICOでは、珈琲豆を焙煎してから10日以内の新鮮な豆だけを使い切るようにしています。
淹れるとき、最初にお湯を注いで、フワーっと膨らめば新鮮な豆の証拠です。
美味しく珈琲を淹れるコツは、焙煎したての珈琲豆を鮮度のいいうちにどんどん使うことです。
高価な抽出グッズを揃えるよりも、ドリップの腕を磨くよりも、それがなにより一番の近道なのです。

鮮度を大事にしているからこそ、珈琲の風味を最大限に引き出すことができるんですね。
ぜひ、ご自宅でも、深煎り、浅煎りの豆の艶感を見比べ、さらに酸味や深みの違いをミルクやお砂糖をいれたりして、楽しんでみてくださいね。

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