【神戸】御影の街とMAMEHICO_その3

みなさん、こんにちは。
MAMEHICO神戸・御影店長のシゲです。

前回の続き。

2022年9月8日。
内装工事に目処がつき、細かい仕上げ工事は残すことになってしまったが、MAMEHICO神戸・御影はなんとかオープンすることができた。
まだオーダーした椅子が届かず、パイプ椅子でしたが。笑

オープンしたからといって、お客がドッと押し寄せて来ることはなかった。

今までの会社員生活では新店立ち上げを何度も経験させてもらったが、ウン百万という広告宣伝費をかけるべく、稟議書をひたすら書きまくっていた。
まるでオープンがゴールだったかのように。

僕たち夫婦に伴走してくれていた東京スタッフの日野さんも、銀座のオープン準備のため東京に帰ってしまった。

「普通に待っているだけではお客は来ない」
お客が来ない、という日が何日も続くのを目の当たりにした。
厳しい現実を突きつけられて、いよいよ夫婦ふたりだけでの冒険が始まったのだ、と痛感した。

それからというもの、とにかくイベントを組むようになった。
とりあえず何でもいいからお店に来てもらって、認知を広げるしかないのだと。
妻のみゆきを引っ張り出して、歌ってもらったりしたこともあった。

でも僕たちだけではどうしても数を組めないな、と悩んでいたある日、一組のお客がご来店された。
とてもお上品な佇まいの女性と、年頃的にお嬢さんかしら。
店内をくまなく見ておられたので、とても印象に残っていた。

お会計が終わってからも、出口でなにやらヒソヒソと会話をされている。
「お母さん、早く話しかけなきゃ!」としっかり者のお嬢さんに背中を押されて、
「お忙しいところすみません…あのぉ、実は…わたくし…こういう者でして…」と申し訳なさそうなお母様。

話を聞くと、近くにお住まいの生け花の先生なんだと。
この場所がまだレンタルスペースだったころ、大家さんと知り合って、生け花教室の場所として使わせてもらっていたらしい。
四季を取り入れながら自然が織りなす美しさを表現したいと。
MAMEHICOとかたちは違えど、やりたいことは同じだったのでとても共感できた。

それが紫水・一谷美智子さんとの出会いだった。
これは運命だと思い、それから毎月「季節の花の会」というワークショップを担当してもらうことになった。
正直、動員がとてもつらい時期もあった。
だが、一谷さんは「仲間」として伴走してくれた。
お嬢さんのアキちゃんも忙しい日にカフェでバイトしてくれるようになった。

地域のヒトを巻き込んで、お店づくりをして行く。
まさにこういことなんだと実感するキッカケになった。
それからは「面白可笑ひこ」で地域のヒトに出演してもらったり、他のワークショップやトークショーなどもたくさん行うことになった。

そういう積み重ねがあって、今年の10月には地域の魅力を再発見するというコンセプトの大体的なイベントも企画している。
御影の街のヒトを巻き込んでお店づくりをする。
ようやくかたちになってきた今日この頃なのです。

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