お冷やを通して感じること

こんにちは!MAMEHICO神戸・御影店長しげちゃんの妻、みゆきです。

「いらっしゃいませ」のご挨拶のあと、いちばんはじめにお客さまとコミュニケーションをとる瞬間は、お冷やをお出しするときです。

グラスを手に取り、お冷やをゴクリ、ふーっとひと息ついて、店内を見渡す。
「お水が美味しいわ。グラスもきれいやね。なんかほっとするわぁ」と、おっしゃる方が、けっこういらっしゃいます。
一杯のお冷やから伝わることは、自分たちが思っている以上に、計り知れないのかもしれません。

きっと、お店は清潔に保たれているのだろう。
お食事は丁寧に作られているのだろう。
スタッフはおもてなしの心を持って、お店に立っているのだろう。
…逆も然りで、一事が万事というように、そのお冷やから、お店全体の雰囲気が伝わってしまうということですね。

カフェブームと言われていた2000年代初期、カフェのグラスといえば、フランスの業務用食器ピカルディが定番でした。
このグラスは、スタッキングができて、多少、粗雑に扱っても平気ということで重宝されていましたが、使っているうちに細かな傷がついたり、曇りがちになる。
便利さや効率も大事ですが、そこに重きを置くのではなく、お客さまがいらしたら、いちばんにお出しするお冷やを丁寧に扱うことで、自分たちが大切にしていることが伝わるんじゃないかなと思います。

MAMEHICOのお冷やグラスは、各店それぞれ違うものを使っています。
飲み口の厚みで口当たりが変わるので、なるべく薄いものを探していた所、木村硝子のうすはりグラスに出会いました。
御影店では、こちらのグラスを使っています。
全て手作りのため、それぞれ多少の微差がありますが、それも手作りの良さで温かみがあります。

また、カフェのお冷やといえば、ミントや柑橘を入れて爽やかな香りや味を楽しむところも多いですが、MAMEHICOではお水そのものを美味しく召し上がっていただきたいので、余計なものは入れず、お冷や用のタンクにお水と氷と備長炭を入れて、お水がまろやかになるようにしています。

そして、グラスに直接氷を入れることで、グラスに傷がつくのと、結露が出来るのを防ぐため、グラスには氷を入れず、お冷や用のタンクでお水を冷やして、グラスに注いでいます。

この、お冷や用タンクは、御影店と三軒茶屋店に置いています。
カフエマメヒコをオープンする前に、井川さんがニューヨークで買ってきたもので、もうじき20年選手。
このタンク、蛇口がついていて、本当にかわいいんです!
もう同じものは二度と手に入らないと思うと、より愛着が湧きます。
お客さまからも「これ、お冷やタンクなんや!かわいいくて、センスいいね!」とよくお褒め頂きます。

お客さまが、最初にお冷やを口に含んだ時のお顔、「なんかほっとするわぁ」という一言から、私たちが伝えたいメッセージが届いているんだと思うと、手は抜けません。
たかがお冷や、されどお冷や。
お客さまの口に入るものはもちろん、手に触れるもの、目に映るもの、すべて、心地よく過ごしていただけますように。
そんなことを思いながら、今日もお店に立っています。

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