花が紡ぐ、心地よい空間

こんにちは。MAMEHICO神戸・御影スタッフの池田さくらです。 

お店のなかに植物があると、空気がいきいきするなぁと感じます。
ホールに立ちながら、ふと目の端に花の色が入ると、気持ちが和みます。

わたしは、ときどきお店で花をいけています。
自宅の庭から植物を持っていくため、茎が曲がっていたり、葉がやたらと茂っていたり、花屋のものと比べとても個性的。
自分では大きな花器へ無造作にバサっと入れて飾ることが多いですが、お店の場合それでは存在感が出過ぎてしまいます。
クセのあるものをなるべくささやかに、印象に残りすぎず、「花が綺麗」ではなく「美しく心地良い」と感じてもらえるように。
植物と花瓶と空間の調和を意識します。

まず、庭から来た植物のボリュームを抑えていきます。
そして、同時に、どの花器に飾ろうかなと考えます。
そのときに、大切にしていることがいくつかあります。
葉を落とし、枝を切り、気持ち良い「間」を作ること。
花や実がどちらを向きたいのかなと観察すること。 
いける時には流れや動静を楽しみながら、全体がひとつに感じられるよう、花と器の関係、葉の重なりや緑色どうしの相性もよく見ること。
と言いつつ、あまり考えすぎず、素直にいいなと感じるものをいちばん大切にしています。

お店にある花器がどれも素敵で優秀だから、どんな植物でもたちまち美しく凛と見せてくれるということもあります。
お客さんにお褒めの言葉をいただくことが多いのは、二重構造になっているガラスの花瓶です。
涼しげでこれからの季節にぴったり。
モザイクタイルの白いものも華やかで可愛い。
口が細く茶色の模様があるシンプルな一輪挿しは小ぶりなのに、大きめの枝も大胆にいけることができます。
花器は、お店を続けていく中で、少しずつ増えていったものたち。
どれもこれも魅力的で、全然違うものなのに、なんとなく統一感があるところが、MAMEHICOらしい感じがして良いなって思っています。

そして、飾るところを決めます。
店内には様々な色と光の濃淡があり、どこに何をどう置くか、ほんの小さな違いで見え方が大きく変わります。
テーブルや棚を薄目で眺めていると、スポットライトが当たるように”ココですよー!”と教えてくれます。
影の濃さを慎重に見定めながら、そっとその場所に置くと、パチリとピースがはまる音が聞こえる気がします。
いけた花の主張が消えて景色になったら完璧です。
最後に空気が瑞々しく整ったことを確認して、深呼吸しておしまい。

店内に生けられた花々が、空間に溶け込み、訪れたみなさんの心を和ませ、癒やしになっていただけたら嬉しいです。
小さな草花が、MAMEHICOで過ごす時間を彩り、いま目の前の輝きを捉えるきっかけとなりますように。

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