「空豆対談vol.2」に参加して

こんにちは。MAMEHICO東京メンバーの横田理恵子です。

先日、空豆対談@空水茶屋が開催されました。
第2回となる今回は、井川さんと明石誠一さんとの対談です。
明石さんは埼玉県三芳町で自然栽培で農業を営む明石農園の代表。

この日のお話は、明石さんが埼玉で明石農園を始めるにいたった経緯、いわゆるキャリアについて。

ご実家が農家で〜、農大の出身で〜、など、農業を営むのが当たり前の環境だったのかと想像していましたが、まったく違いました。

明石さんは高校まではサッカー少年で、Jリーガーを目指していたとのこと。

しかし、高校までは大人の敷いた「君はこうした方がいい」というレールに沿って歩いてきたのに、大学に入ったら急に「君はどうしたいの?」と聞かれる。

そりゃ、「え?どうしたいって言われても・・・」、となるでしょう。


大学に進学後は振る舞い方を変え、バイトをしてお金を貯めてカナダへ留学し、とある人との出会いをきっかけに農業に目覚め、帰国後、不動産営業の仕事を始め、電話営業やビラ配りでお金を貯め、自然農を学ぶために北海道へ・・・という経緯。
農業にたどり着くまでに、まあまあ遠回りです。

しかし、いざ北海道で農業を学ぼうにも、実は北海道の農業は広大な土地を生かして機械化・システム化されたものばかり。

むしろ自然農とはかけ離れたたものだったのです。
それでも北海道で有機農業を営む農家さん探し、1軒1軒連絡しては訪ね歩く日々。
先輩農家さんからの学びを得ながら、少しずつ農業の世界に入り込んでいきます。

その後、農園のお仕事などを任されながら、自分の畑を借りることになります。
それが明石農園の始まりです。

ようやく自分の畑で好きなように仕事ができるようになった明石さん。
でも、最初からうまくいったわけではありません。
作った野菜を誰かに買ってもらわなければ収入が得られませんし、生活も立ち行かなくなってしまいます。


野菜の宅配を始めますが、最初のお客さんはたった10人。
1セット1500円で販売していたので、収入はたった1.5万円です。

必要な収入を得るには、せめてお客さんを100人に増やしたいところ。

どうやったらお客さんが増えるのか、考えに考えて、1つの答えが出ました。


それは、お客さんが喜ぶことをすること。

10人のお客さんにどんな野菜が好きかアンケートをとったり、お客さんへの気持ちがお辞儀の深さに繋がったり、そういうことで少しずつクチコミも増え、お客さんの数も増えていったのです。

といっても、増えたのは15人。

これを「15人も」と捉えるか、「15人しか」と捉えるか。

目標とはほど遠い数ですが、それでも大きな一歩だったことは間違いありません。



先日、明石農園を見学した井川さん。
明石さんの農法は一風変わっていて、まるで実験場のようだったと言います。

同じ野菜でも、植え方を変えれば育ち方も変わるもの。

そのパターンをいろいろ試すのが楽しいのだそうです。

明石さんは、決して無計画ではなく、常に目標を持って行動を起こしてきました。

一方で、どこか行き当たりばったりというか、逆の印象も受けます。

「失敗したらどうしよう」とか、「これでダメだったら諦めよう」とか、そういう思考が一切ないのです。
前回の島田さんとの対談でも同じような印象を受けたので、どこか似たもの同士なのかもしれませんね。


多くの人は、失敗を恐れて保険をかけたり、道を外れないよう慎重に選択するのだと思うのですが、まずは行きたい方向に一歩進んでみる、その連続が大きなことにつながるのでしょう。

もちろん、失敗だってします。

でも、そこからまた進めばいいのです。
自分のペースで。
遠回りでも、時間がかかっても、いつかはたどり着くはず。
そんなことを教わった対談でした。

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