ーお店のBGMの選曲は誰がしているんですか?
今はスタッフがしているけど、元々はボクがしていました。
今なんで、スタッフがしているかというと、音楽環境が変わったから。お店を始めた20年前は店内のBGMはCDをかけて流すのが主流だったけど、著作権の問題で有線放送が出てきて、店内でかける音楽はこちらで用意するのでこれをかけておいてくださいという流れになった。
でも、ボクが知っている喫茶店は、BGMにすごくそのお店の特徴があって、ボク自身、喫茶店で知った音楽が多い。
特にクラッシックやジャズは喫茶店で聞いて覚えたよ。
だから、店内のBGMを有線のようなサービスに委ねるのは考えられなくて、ボクが選曲した。
ただ、忙しい店でCDを掛け替えるのは現実的ではないから当初iPodにボクの好きな曲を全部入れてそれをかけていた。
店の数が増える度、季節のメニューの度にiPodを作るということをやっていて、夏なら、ボサノバ、ラテンなんかにして、気に入った曲しかかけないということをやっていた時期がある。
ボクはバロック、バッハ以前の曲が好きで、マニアックであまり名の知れてない曲をかけていたことから、ここの選曲は誰がしているのか?と随分聞かれることがあって、かなりマニアックなお客さんが嬉しそうに話しかけてくれたこともあったかな。
ボクが気にしていたのは交響曲は音の幅が大きいのであえてかけない、ピアノ曲も案外うるさいからあんまりかけない。
夕方になれば、ムーディーな感じのジャズでキースジャレット、ビルエヴァンスとかピアノでおとなしい感じのジャズを選んでいる。
時代は変わり、iPodからiPhoneになり、音楽そのものがサブスク、アップルミュージックに変わり、ボクのプレイリストがあまり機能しなくなった。
店内の音楽はとっても大事で、基本的にはボクがしていたけど、今はBGMを気にしているスタッフの子がしています。