不思議と馴染む

みなさん、こんにちは。
MAMEHICOスタッフの田中朋美です。

初めて出会ったお客さまやもっとMAMEHICOについて知ってほしいと思う方にショップカードをお渡しすると、「MAMEHICOっていろいろな所にあるんですね。」というお声をいただきます。

所変われば品変わるということわざがあるように、「同じMAMEHICOでも、場所によって異なる楽しみ方ができますよ。」と私はそんな答え方をしています。

楽しみ方の一つに食器があります。
MAMEHICOでは使っている食器がお店によってそれぞれ異なります。
私が特に印象的なのは、珈琲やお茶を飲むカップの違いです。

銀座は美濃焼きのもの。
コロンとした丸みを帯びているラインが可愛らしく、思わず両手で包み込みたくなります。

御影は古伊万里の猪口。
それぞれ柄が違う一点もの。
じっくりと柄を眺めるために、つい持ち上げてしまいます。

桐生は皆空窯のもの。
一見シックで渋さ感じる見た目ですが、縁が薄く広がっていて繊細さがあります。

それぞれのカップで飲み口が変わります。
飲んだときの口当たり、香り方、風味、美味しさの感じ方がきっと違うでしょう。
でも、不思議と馴染むんです。どれもちゃんとしっくりくる。

お店の雰囲気、造り、空間、コンセプトに加えて、その食器やヒトとの出会いのタイミングがあって、各店の食器として選ばれているんだなぁと思います。
なんとも不思議で、特別感があって、面白いですよね。

食器を選ぶ難しさと楽しさ。
全国各地には、たくさんの焼きものがあり、伝統的なものから利便性の高いものまでさまざまです。
陶磁器に限らず素材も形も大きさも、様々な食器に囲まれていて日々過ごしている私たちです。

蔑ろにしてきているわけではないけれど、心と時間にゆとりがないとそこまで気が回らない、良さに目を向けることを忘れがちになるのかもしれません。

焼きものに詳しくなくても、見た目がなんだかいいなとか、あの食材を盛り付けてみたい、飲んでみたい、手に持った感じや口当たりの良さなど、まさに馴染む感覚を体感したくなります。

当然ですが、食器は形あるもの。
すぐに欠けてしまったり、これまでにもあったようにガラリと趣向を変えたりすることもあるかもしれません。
でも、時代とそのときの環境と感覚と、移ろい変わるものと、馴染み溶け込んでいくものについてふと考えてみる。
MAMEHICOの食器から、そんなことに思い巡らせるのも面白いかもしれません。

時折開催されるお食事会では、普段店頭では見られない食器も登場します。
お目にかかれるのは、まさに参加された方だけの醍醐味です。
または、食器やカップの違いを楽しむために店舗を巡るなんてのもいいですね。
MAMEHICOで、そんな楽しみ方もしてみてはいかがでしょうか。

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