カフエマメヒコ三軒茶屋店のこと

カフエマメヒコ三軒茶屋店は2005年7月1日にオープンした、マメヒコの第1号店です。
三軒茶屋店の後、渋谷店(のちに改装して宇田川町店となる)、マメヒコパートⅢ(のちに改装して、マメヒコ飯店となる)、公園通り店、COVIVE(マメヒコの売店。購買部=コーヴァイヴ)…と、渋谷・三軒茶屋界隈に数々のマメヒコができましたが、どの店舗もそれぞれにそれぞれの事情で閉店していき、2022年の春、ついに、マメヒコは始まった時のように三軒茶屋店1店舗のみになりました。

でも、そこからまたいろんな縁があって、神戸・御影店、東京・銀座店、桐生の紫香邸と3つの新しいMAMEHICOが生まれたので、今はまだよちよち歩きのできて間もないその店たちを見守り、影から支えている、そんな存在です。

そんなわけで、来年20周年を迎える三茶店は、これまで大きく歩みを止めることなく、唯一ずっと続いてきた場所です。
そして、変わらずそこにあり続けるために、たくさんの変化をしてきた場所でもあります。
私はマメヒコのスタッフになって10年目なので、これまでの歴史の半分しか知りません。それでも、その半分の時間の中で様々な変化を目の当たりにしてきました。
その中で思うのは、店作りに終わりはないということです。

何もなかったところに工事をして、厨房機器、椅子やテーブル、棚を入れる。
その最初にかけた時間と手間によって一旦完成として、そこでオープンするわけですが…
オープンしたら終わり、ではなく、途中で直したり、変更したり。
手入れし続けるという形で、店作りは続いていきます。
壊れたり、綻びたら直すというのは想像がつきやすいですが、そうでなくても、時代の変化や自分達の経験が積み重なった結果、変えるということもあります。

タイルの貼り替え、ペンキの塗り直し。
棚を増設したり、減らしたり。
テーブルの位置を見直せば、一緒に照明機器の種類や位置も見直す。
テーブルの脚やソファの座面は使ううちに摩耗して壊れることが、数年に一度くらいはあるので、その度にパーツを交換したり、まるごと新しいものに入れ替えたり。

少しずつ、少しずつ、手入れは続くので、まるで間違い探しのような変化の仕方。
お客さんの目によく触れる場所の変化だったとしても、お馴染みのお客さんでも気づかないということもあります。
「久々に来たけど、ここは全然変わらないわね」「いつも変わらなくて、ここに来ると安心します」などと言っていただくこともよくあるくらいです。

三茶店のシンボル的な存在の、豆棚と呼んでいる大きな棚と、たくさんの人が囲んで座る、大きくて長いテーブル。
もちろん、そういう、長く大切に使っていきたいものは、ヤスリで削ったり、オイルで磨いたりとメンテナンスしながら、オープン当初から変えずにずっと使い続けています。

何を変えて、何を変えないか。
その取捨選択の連続がお店の雰囲気を作り、みなさんに与える印象につながっているのだろうと思います。
前向きに変化し続けることこそ、たくさんのお客さんから「変わらないわね」と言っていただける「マメヒコらしい」ところなのかなと思います。

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