私はMAMEHICOのスタッフで、井川さんの作品では、演者も務めさせてもらっている池田玲菜と申します。今年で25歳です。
さて、年明けから、YouTube連続ドラマ『ノッテビアンカ』を紹介しています。
わたしがそのナビゲーターを務めますので、みなさんよろしくお願いします。
連続ドラマ『ノッテビアンカ』では、OSSEKKAIカフェの店員「ハルエ」役を演じています。
連続ドラマ『ノッテビアンカ』。
制作期間は2021年の8月から、2022年の6月までです。
撮影は毎週末、東京近郊のどこかに集まれる人たちで集まって撮影しました。
このドラマは、コロナ禍真っ只中の2021年、東京に生きた、たくさんの「普通の人」の目線からの孤独、喜び、ドラマが描かれています。
私はこの撮影をしている頃、大学を休学しているところでした。
大学では映画やエンターテインメントの裏方を学んでいました。
学校の授業では「映画をはじめエンタメを作るということは、お金を作ること」なんて教わっていたので、予算も考えない、ただ作りたいから作るだけっていう、井川ドラマって、正直、全く理解できなかったんです。
理解できないけれども、ただただ、面白そうだったので、「やります!」とだけすぐ言いました。
私は後先考えずに、とにかく乗っかってみる、その気持ちだけは誰よりも強い自信があります。
そのせいで数多い失敗をしたし、いつまでもそれじゃいけないとは思っていますが、とにかくやってみたいと手を挙げて今があります。
このドラマ制作も、今振り返ってみても、心が満たされる、素敵な作品で、これに関わっていたことは本当に幸せです。
また改めてお話しますが、このドラマの最後の方は、渋谷にあったカフエマメヒコ公園通り店が閉店していくさまが映し出され、さらにこの撮影がきっかけで、MAMEHICO神戸・御影店と桐生・紫香邸ができたのです!
今日は井川さんが書いたドラマの企画意図を載せますね。
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企画意図
このドラマはすべて嘘、フィクションです。
嘘だとわかってるから、見ているヒトも、例えば身につまされるような話でも見られる。
本物だと可哀想な話の場合、直視できませんから。
だけどドキュメンタリーかのごとく、いやもっとリアルに2021年に生きている現実のヒトたちを捉えてみたい。
最近のテレビ・ドラマは見ないからわからないですけど、みんなに見てもらわなくてはいけない、テレビとしてきちんとしたものにしなくては、という制約が強いんじゃないかと思います。
それなら企画もそうなるだろうし、制作スタイルもそうなる。
なんとなく思いつきで作ったよ、なんて意気込みで作れないと思うんですね。大金をかけるんだからね。
多くの優秀な人間で議論しながら作っていくのかもしれない。
プロットもストーリーも時間をかけて練るのかもしれません。
狙いも決めて。テーマも決めて。細部まで論理的に作っていくのかもしれない。
でもそうやってできたものには、人間の「なんとなく」っていう部分が削られてゆくんじゃないかとボクは思います。
人間の「なんとなく」に現実がある。
ボクらならそれを映したドラマが作れるんじゃないかと思ったんです。
ボクたちは予算という制約はありますよ。あるけれど。
いくらだって時間はあるし、協力してやってもいいよというヒトたちがいるわけです。
そしてなにより、2021年の社会に生きている現実のヒトたちが演者としてもスタッフとしても参加する。
名だたる役者が迫真の演技を披露するとか、そういう魅力のドラマとは違った、新しい連続ドラマが創れるんじゃないかと思って企画しました。
ノッテビアンカとは
notte bianca(ノッテビアンカ)は、イタリア語で直訳すると「白い夜」です。
白夜とは高緯度の地域で観察できる太陽が沈まない自然現象のことです。
夏至には、一日中、太陽は沈みません。
白夜とは意訳すれば「眠らぬ夜」であり、東京に住む登場人物たちは、夜も眠らずに、悩んだり、恋をしたり、仕事をしたりしている。
まるで白夜の世界に生きているようです。
そんな人々の暮らしを意欲的に描きたいと考えています。