面白マイクに参加して 

みなさま、こんにちは。
MAMEHICOメンバー高月渉です。

最近、ヴィクトール・フランクルに、ハマっています。 
「どんな人生にも意味がある」と唱えた彼は、オーストリア出身の精神科医/心理学者です。

ユダヤ人としてアウシュヴィッツ他の強制収容所に収容されましたが、奇跡的に生き残り、その体験をもとにした著書「夜と霧」は世界的ベストセラーとなり、今も読み継がれています。 

強制収容所のような極限状況でも希望を捨てず、生きる意味を見出した彼の思想は、先行き不透明な現代に生きる私たちに明るい道筋を示してくれています。

フランクルは「生きる意味を満たす3つの価値」として、 人が行動し何かを創り出すことで差し出す「創造価値」、生きる体験を通して世界から受け取る「行動価値」、置かれた状況にどんな態度をとるかで生み出される「態度価値」を提唱しました。 

これまでを振り返ると、私が性懲りもなく面白可笑ひこに出演し続けるのは、まさにこの3つの価値を得るためなんだな、と腑に落ちました。

井川さんや演者さん、そのほかスタッフの皆さんと試行錯誤を重ねながら、ひとつの場を創り、実際に舞台で演じてみること、そして自分の内面に起きた状況に向き合うこと、すべてが私を満たしてくれます。

客席に座って観る側から、舞台に立って演じる側へ立場を変えることは、まさにコペルニクス的転回とも言える体験で、パソコンの前でキーボードを操作する毎日の生活とは違って、脳の違う場所をフル回転させるような感覚があります。 

現代社会はあらゆる情報に簡単にアクセスできる環境が整っているので、私たちは浴びるように情報にまみれて何でも頭に詰め込んでしまう、言わばインプットに偏った生活を送っています。
SNS や動画配信が活発なのは、そのバランスを取り戻そうとする自然の反応だとも考えられます。

先日、MAMEHICO銀座で行われたオープンマイクイベント「面白マイク」も、様々なジャンルの演者が次々と舞台に登場するまさにアウトプット大会でした。

液晶画面越しではないライブパフォーマンスを肌で感じるのは、やはり充足感が違います。
SNS でアウトプットすることは、誰もがどこでも出来る手軽さがありますが、やはり生の観衆を前に、何かをパフォーマンスすることは、別格の世界が拡がっています。 

人はリラックスばかり求めがちな傾向にありますが、得も言われぬ緊張感もまた良いものです。
私もむしろ、このような緊張や焦り、戸惑いといった負荷をときどき体感することが、メンタルなエクササイズとして人間には必要なのではないか、とさえ思います。 

いつの日か井川さんに「もうそろそろ…」と引導を渡されるまで、面白可笑ひこに参加していきたいと思います。

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