なぜ面白い形のスプーンを使っているのですか?

ークロカンの面白い形のスプーンとの出会いを教えてください。

お店には黒豆寒天、略してクロカンという看板商品があります。これは3日間かけて甘く煮た黒豆が寒天の上にのっているものでいわゆる、豆寒天。

ボクのマメヒコを始めた時に書いた企画書があるんだけど、その中にスプーンとフォークがセットになっている絵がある。つまり、柄の部分がスプーンになったフォークを使いたいと書いてある。それは赤青鉛筆みたいなね。両端の用途が違うものを使いたいと思っていたんだよ。

そういうものを探している時、柄の部分が小さくて、小さいものと大きいスプーンがセットになっているものを見つけて、これでクロカンを食べてもらおうと思った。
このスプーンは珈琲豆を量る、珈琲メジャーなんだよね。これをスプーンとしてお出ししています。

ーどうしてあのスプーンを選んだのですか?

どうしてあのスプーンを使おうと思ったかというと、このお店を作る上で、何かイタズラをしたいと思ってたんだよね。

実際、クロカンを食べているお客さんを客席で見ていると、だいたい最初は戸惑う。
スプーンが2つ付いていてこれをどうやって使うのか?みんな悩んでるんだよね。小さい方で食べた方がいいのか、大きい方で食べたらいいのか?
時には店員を呼んでどうやって食べるのか?聞くヒトもいるんだよね。お口に合う方でどうぞ、というと、大抵は小さい方を使って食べてる。
そういうイタズラ、ユーモアを含めて何か引っ掛かりがあるようにしたい。

もっと徹底してイタズラを仕掛けてもっとこだわれば、もっと人気があるお店になったのかもしれないけど、ボクの中途半端なイタズラ心が残っているのが黒豆寒天のスプーンです。

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