叱ることについて

みなさん、こんにちは。MAMEHICO神戸・御影店長しげちゃんの妻のみゆきです。

MAMEHICOの店内はいつも綺麗に保たれています。キッチンの作業台の上、壁、床などはその都度拭いています。スケールやキッチンタイマーなどの道具はもちろん、冷蔵庫やトースター、戸棚の中や取手もこまめに拭いています。布巾も綺麗に畳み直します。

シンクには用途別に3種類のスポンジを置き、予洗い用のタオル、お冷グラス用のタオルもあります。仕込みが終わると、五徳やコンロの汚れはもちろん、調味料の瓶一つ一つを綺麗に拭きます。排水溝も毎日掃除します。お客さんをお待たせしないため、段取りよく作業出来るように整理整頓も心がけています。そのため洗い終わった道具は必ず定位置に戻します。お客さんに不快な思いをさせないよう、冷蔵庫や食洗機の扉は静かに閉めます。

フロアの床掃除や棚の埃取り、入り口のガラス拭き、お花の水換えも毎日。トイレも鏡や換気扇まで毎日掃除しています。お客さんに心地よく過ごしていただくために、店内をいつも気持ちの良い空気にしておきたいのです。

そこへ昨年、新しいスタッフ達が入ってきました。キッチンの仕事や掃除の仕方などいろいろ教えるのですが‥何度言っても出来ません。お客さんのお口に入るものを作っているし、キッチンには包丁など危険な道具がたくさんあります。クオリティーの高さを保つためには、叱らなければいけません。でも、何度言っても出来ない。忘れてやってない。「そんなことまで言わなわからんのや!」と何回驚いたか‥!
私は、ずっとフリーランスで働いてきて、子供もいないので、初めて「叱る」ということを経験して、とても難しいと感じています。

実は叱りながら、「1年前の自分を見ているよう‥」と恥ずかしいやら情けないやら、複雑な気持ちになっています。「それはやっちゃだめ!」と叱っていることは全て、一年前の私も同じようにやって叱られていたことです。そして叱りながらスタッフに言ってることは全て、一年前、先輩たちから言われたことなんです。

「あの時に叱ってくれたから、これが出来るようになってるんや。」と気付けたり、ふとしたときに先輩たちの言葉を思い出して、丁寧に動けたりしています。スタッフを見て、「こういう動きをするから私もここで粗相をしてしまってたんや。」と自分を客観的に見ることができて、変われるきっかけをもらっています。

一時が万事という言葉通り、細かいところまで気付いて掃除出来なければ、お菓子を作る時もお客さんとお話しする時も自分自身に対しても雑になっているということです。それは美味しいお菓子を作れない、人に対して細やかな心遣いは出来ないということです。

家では「スタッフが入ってきて、一番成長してるのはみゆきやで。」と店長しげちゃんに言われています。叱られずに「頑張らなくてもいいよ。そのままのみゆきでいいよ。」なんて言われて、成長出来ていなかったら、変わらなかったら、今頃どうなっていたか‥!先輩たちに叱ってもらって今の私があることをあらためて気付けて、ほんまに感謝しています。

ただ、叱った時に、言い訳されたり不貞腐れたりされると、「もう知らん!もう何も言わん!」とどうしても感情的になっていました。感情に任せて言わなくていいことまで言ったり、私のうっぷんをただぶつけているだけになったりして、後悔したこともあります。「あの時は何も言わずに見守れば良かったかも?」と思い返して反省したこともあります。

だからこそ、叱ることにたくさんのエネルギーを必要とすること、それなのに叱ってくれるのは、愛があることを知りました。「もう何も言いたくない!」と思いながら、きちんと伝えてくれた先輩たちを思い出して「いや、ここはちゃんと言わなあかん」と思い直せたり、「長い目で視てあげよう」と黙っていることができます。

私も先輩たちのように愛を持って叱れるようになりたい。そしてスタッフが成長して、より本人たちが毎日楽しく過ごせるよう、お店でお客さんにより心地よく過ごしてもらえるよう、スタッフ共々、日々葛藤しながら成長していきたいと思っています。

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