こんにちは!MAMEHICOスタッフ兼MAMEHICOエンタメ部演者の池田玲菜です!
突然ですが、私、最近とあるラジオにハマっています。それは、「SUNTORY SATURDAY WAITING BAR AVANTI」という、1992年から2013年までTOKYO FMにて放送されていた、ラジオドラマ・トーク番組。当時のラジオ小僧たちが、カセットテープに残しておいてくれた録音がYouTubeにあるのを発見し、聞いています。
この番組の設定は、AVANTIというバーに通うダンディな大学教授が、ほかのお客さんの話をそっと盗み聞きするというもの。著名な作家、俳優、プロデューサー、雑誌編集者などから普通のOLさんまで、ハイセンスなバーに集まった人たちの雑談が、小粋なJAZZにのせて繰り広げられます。昔のラジオですが、平成12年、2000年生まれの私が、今聞いてもすんっごく面白いんです!というより、今だからこそ新鮮に感じるのかもしれません。
終始、客席では他愛もない話が繰り広げられています。たとえば。歌手のジュディ・オングが中国薬膳料理の豆知識を披露していたり、ananの編集長が、「女性は30歳からが一番モテる!」と力説していたり、バブル期のモデルさんたちが、離婚体験を赤裸々に喋っていたり(笑)。でもそのちょっとした雑談の奥に、その時代の空気感とか、本音とか、やるせなさとか、複雑なものが感じられて、なんというか、「粋」なんです。
平成生まれの私が触れてきたコンテンツって、軽薄に感じることが多いです。体裁は整えられているけれど、「粋」ではない。オリコンチャートはアイドルばかり。原作ものばかりの映画、ドラマ、アニメ。宝塚や劇団四季も、海外ミュージカルの輸入作品ばかり上演しています。全部お金の事情、大人の事情が透けて見えてしまいます。クリエイティブじゃない。今あるもののうち、どれだけのものが、未来のクラシックとして残れるのだろうかと思います。
現代に蔓延る、失敗したくない、傷つかせたくない気持ち。コンプライアンスを遵守する気持ち。それらが世の中のあらゆるものをつまらなくしている。私にはそう思えてなりません。
なんでこんな話をしたのかといいますと。月一配信しているMAMEHICOの「面白RADIO」は、このAVANTIをオマージュで作っています。MAMEHICOというカフェに来ている常連の男性客が、ほかのお客さんの話をそっと盗み聞きする。個性豊かなお客さんがMAMEHICOを訪れます。
多少不恰好でもいいから、密度のある、本質的なものに触れたい。こういう思いに共感してくださる方、面白RADIO聴いてみてくださいね!「粋」な時間をぜひ。