絵を描くように

こんにちは。
MAMEHICO神戸・御影スタッフの池田さくらです。

MAMEHICOのスタッフになったばかりのころ。
今いる環境の中で、自分にとっての美しさを表現することを教わりました。

私は絵を描くことが好きです。
料理やデザートの盛り付けをするのは絵を描く時の感覚に似ています。
お食事の注文が入ったら頭のなかを静かにして手を動かします。

ドライカレーの盛り付けは気合いが入ります。笑
まずお皿を準備。
使っているお皿は、白磁にやや青みがかったもの。
どんな料理もしっかりと受け止めて気品ある雰囲気を演出してくれます。
まるで額縁のようで頼りになるお皿です。 

バットに並べたお惣菜はパレットの絵の具と捉えてみます。
青菜の濃緑、トマトの赤、茶色いきのこ、紫の茄子、とうもろこしの黄色.…。
グラデーションとコントラストを意識しながら一色ずつ置いていきます。

きゅうりの千切りは無造作なようで美味しそうに重なり合うよう微調整。
ししとうの傾きを15度ずらそう、隙間にしめじを1本足そう、彩りのミニトマトはジャガイモの薄黄色と茗荷の赤紫の近くに置いてみよう。
最後は2本のオクラをいかに美しくクロスさせるか…!

カレーより、野菜のお惣菜が主役とも呼べるプレートです。
仕上げにブラックペッパーや花椒などを振りながら、作品をひとつ完成させたような気分になります。

一方、デザートは見た目がシンプルなものが多いです。
とくに、はちみつ珈琲パフェは…、もう、作りながら若干不安になります。シンプルすぎやしないかと。笑

だけど。これが本当に美味しいんですよね。
サクサク麦ぽんに牛乳のアイスクリームがたっぷり。
そこにミルクと相性抜群の浅煎り珈琲を注ぎ、生クリームにシナの花の蜂蜜をかけて出来上がり。

潔い佇まいは美味しさへの自信の表れなのです!
全くごまかしがきかなくて、盛り付け難易度はかなり高めですが、丁寧に納得の仕上がりを目指しています。

美しい盛り付けは、ご注文の品をお客様の目の前に置く、その瞬間の為にあります。
表情が華やぎ「わぁ〜!」という声が聞けたときにはうれしくて心の中でバンザイします。

そして「いただきます」と同時に消えていきます。
はかないけれど食べた方の元気だったり、栄養だったり、思い出だったり、形を変えて存在します。MAMEHICOの印象のカケラとして残ります。

日々繰り返すうち、最初に教わった場のためのものづくり、その喜びを感じるようになりました。
集う人の小さな表現が満ちているから、MAMEHICOは面白く美しいのだなぁと思います。

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