目を養うこと

こんにちは!MAMEHICO東京スタッフの飯塚友美です。

MAMEHICOの仕事は多岐にわたりますが、まずはじめに教わるのは、珈琲やお茶を淹れること。
自分たちが提供しているものが、「どうやって作られているのか」を知ることは、どんな仕事でも大切な要素です。

珈琲やお茶を淹れる、と言っても、ボタンひとつでピピッと行うわけではなく、すべて手作業です。
珈琲、紅茶、日本茶、チャイ…などなど、MAMEHICOでは様々な飲み物を作るのですが、中でも難しいのが、「お茶の淹れ方」です。

ポットに茶葉を入れて、お湯を入れて、抽出するという作業なので、「ただお湯を注ぐだけじゃないの?」と思われがちなのですが、そんなことはなく、淹れる人によって、味がかなり変わります。
簡単なようで、奥深く…、ある程度の経験が必要なのです。
「お茶を、誰でも上手に淹れられるように、温度や蒸らし時間を、レシピにおこしてください」と、入ったばかりの子は言うのですが、それがなかなか難しい。

MAMEHICOで使っている茶葉は、粉砕加工をせず、摘んだままの葉っぱの状態で、茶葉として仕上げられたものを使っています。
野菜や果物と同じで、一つとして同じ大きさや状態のものは無く、葉っぱの大きさがまちまちだったり、日の当たり具合が違ったり、仕上げ作業を行う人が違ったりと、納品されるものすべてが均一な工業製品ではない自然のもの。
なので、だいたいの目安はつけられるけれど、細かくグラムで指定しにくいのです。

でも、ここで疑問が湧きます。
なぜ淹れるのが難しい茶葉を使っているのか。
それは、雑味が少なく、茶葉の香りを、より楽しんでいただけるのと、なにより美味しいからです。

お茶を淹れるとき(に限りませんが)、レシピ云々より五感を研ぎ澄ませて、茶葉の様子をみてあげることが大事です。
この葉っぱなら、お湯はこのくらいかしら、と見当をつける。
このお茶なら、少し温度を下げて淹れようとか。
お湯を注いだ瞬間の色の出かたで、なんとなく、どのくらい蒸らしたらいいかの想像をする。

美味しくお茶を淹れるコツを掴むには、自分で淹れてみて、飲んでみて、誰かに淹れてもらって、美味しいお茶の味を知る。
そしてまた、自分で淹れてみる。
自分の五感を使って、これを繰り返すことが何より大切です。

自然に作られたものは、季節の中でもムラがあるので、季節の移ろいの中で、様子を伺いながら扱っていきます。
そういう意味で、「美味しいお茶を淹れられるようになること」、というのは、移ろう自然を扱う「目」を養う第一歩なんだな、と思います。

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