4月の食の会・懇親会のメニューは、「筍ご飯」でした!
この春、MAMEHICOでいただいたお食事やお弁当には「筍」が度々登場しました。
私は筍がわりと好き、いや結構好きなのですが、春といえば筍。
まさに旬のものをいただいていると、ここ最近はいつも有り難い気持ちになっていましたが、目で見て口にして味わいながら春だなぁとしみじみするだけでなく、私の頭の片隅には違うことも浮かんでいました。
筍、タケノコ、竹の子…。その字の通り、美味しくいただいている部分は竹の子供のときの姿。
竹(タケノコ)には節があり、節と節の間の幹のような部分の稈(かん)の長さがそれぞれ伸びていき立派な竹に成長するその様子から、学童期の子供の成長に似ていると例えられて"節目ごとにぐんぐん伸びろ、真っ直ぐ伸びろ“という思いを込めて、「たけのこ」をあゆみ(通知表)やお便りの名前に用いたり校章になっていたりすることが多いのです。
それを知った若い頃、タケノコや竹について少し調べたことがありました。
柔らかくて美味しく食べられるタケノコの時期はとても短く、土から出できてから一瞬のわずかな時。イノシシなどに食べられまいと産毛が生えたたくさんの皮に包まれて身を守られている、まさに産まれたばかりの赤ん坊です。
そのあと青々とした立派な竹になるまでには、またさらにあっという間。
節にはそれぞれ成長帯(点)なるものがあって、それぞれの節が組織分裂して成長することで節の間隔(稈)が長くなり、ピーク時には1日で1m以上背を伸ばすこともあるそうです。
まさに成長期の子供から青年期という感じです。
その成長の様子もさることながら、私が興味をもったのは地下茎です。
空高く真っ直ぐ伸びているその下で、まさか茎を横に広げているなんて!
竹林を歩いたことがある方はご存知かと思いますが、足元にゴツゴツとした根みたいなものがあってつまづきそうになるあれが、地下茎です。
その存在を正しく知ったのは、私自身ずいぶんと大きく成長してからでした。
土の中で茎を横に横に伸ばして踏ん張っているから、上に高くしなやかに伸びることができるのか!と驚きました。さらに竹は一本ずつ独立しているのではなく、その地下茎で繋がってるのだそうです。
家族?友達?仲間…?その見えそうで見えない、さりげない繋がりと役割がいいなぁと、調べた当時感じたことを覚えています。
そして単に支えになるだけでなく、秋になると地下茎自体も伸びることをやめ、次の春に新たなタケノコを出すべく栄養を溜め込んでおくのだそうです。
なんて健気なのだろうと愛おしく思えたのでした。
さらに、タケノコの時点で竹になる太さや節の数はすでに決まっているそうで…。
未来の姿まで想像できちゃうのもなんだか面白いと思えました。
有り難いことに、掘りたてのタケノコを食べる機会に恵まれた環境で育ったことで、その美味しさを知った気がしますが、生態の不思議さを少し調べたことで、さらにタケノコが好きになったんだった!と、MAMEHICOの食を通じて思い出しました。
旬の時期というのは、本来の香りや旨みなどの美味しさが最も引き出され栄養価も高くなるため、食材本来の味を生かした身体によい味付けができることから、旬に食べると体調が整いやすくなるのだそうですね。
祖父母には、よくその年の初物を食べると縁起がよく健康になると言われたものです。
今回の筍ご飯は、混ぜご飯にするということで、筍自体にはしっかりとした味付けがされていましたが、それでも筍の食感や風味はきちんと生かされていて存在感抜群でした。
熱いままのとき、冷ましたとき、混ぜたとき、それぞれの料理の仕上がりを考えて食材を生かす調理や味付けをすることも学びました。
旬のものをいただくというのは、ある程度の年齢を重ねてくると季節を感じ、そのよさを知ることだけでなく、その季節や食材の思い出やそこから派生するエピソードを想起する楽しみもあるのかもしれないと思いました。
そんな楽しみ方もできるように、まずはもっと旬のものと触れ合い、大切に有り難くいただけるようになりたいなと思います。