
井川のはなし
正しさの名の下に
東北の田舎駅で、列車を待つ間、古い小さな喫茶店に入った。店の奥の席に付き、珈琲を頼んだ。老いた女性のマスターがやる気なく下がっていった。 その店は、静かな店内に音楽もかけず、カウンターの中、テレビがぽつんと点いている。ワイドショーが賑やかに騒いでいるなか、老婆が珈琲を淹れている。 店内は、重たい空気

東北の田舎駅で、列車を待つ間、古い小さな喫茶店に入った。店の奥の席に付き、珈琲を頼んだ。老いた女性のマスターがやる気なく下がっていった。 その店は、静かな店内に音楽もかけず、カウンターの中、テレビがぽつんと点いている。ワイドショーが賑やかに騒いでいるなか、老婆が珈琲を淹れている。 店内は、重たい空気