手間暇を形にしたデザート
こんにちは。MAMEHICO神戸・御影店長の渡辺臣将(しげまさ)です。
冬のメニューが終わり、いよいよ春のメニューがはじまりました。
そのタイミングで、ひとつのデザートが帰ってきました。
そう、「クロカン」こと、黒豆寒天です。
MAMEHICOの開店当初から続く、看板メニューのひとつ。
マメヒコの「マメ」は豆、そして「ヒーコー」は珈琲。
その名の通り、MAMEHICOは「豆」と「珈琲」を楽しむお店としてスタートしました。
そういう意味で、このクロカンは、お店のコンセプトをそのまま形にしたような甘味なんです。
見た目はとても素朴で、やっていることもシンプル。
特別なことをしているわけではありません。
でも、当たり前のことに、きちんと手間をかける。
それが、MAMEHICOで大切にしている「手間暇を厭わない」という考え方です。
このクロカンは、まさにそれをそのまま形にしたようなデザートです。
主役は、黒豆です。
北海道産の在来種の黒豆を、3日かけてふっくらと炊き上げています。
じっくり火を入れて、シワが入らないように、ゆっくり甘さを含ませていきます。
寒天も、良質な国産のものを使い、ちょうどいい固さに炊き上げます。
やわらかすぎず、固すぎず、すっとほどけるような食感に。
シロップも、ひと手間かけて、きび砂糖を溶かして作っています。
そして白玉。
これもオーダーが入ってから、茹でたてを提供します。
この季節は、近所で摘んできたよもぎを練り込んでいます。
これがまた、なかなか手間がかかる。
近所の野山でよもぎを摘み、茹でて、ペーストにしていきます。
ひとつひとつの工程はとてもシンプルですが、その積み重ねがあります。
でも、新鮮なよもぎはやっぱり違う。
香りがとても強くて、仕込みをしていると、お店中がよもぎの香りに包まれます。笑
やっていることは、どれも特別ではありません。
でも、どれも手間がかかる。
そして、できるだけ作り置きはしない。
よく「美味しいですね」と言っていただけるのは、特別なことをしているからではなく、当たり前のことを、ちゃんとやっているからだと思っています。
ただ、その「当たり前」を続けることが、いまの世の中ではなかなか難しい。
だからこそ、このクロカンは、小さなアンチテーゼなのかもしれません。
仕込むときは、少しだけ背筋が伸びます。
派手さはないけれど、しみじみ美味しい。
そして、びっくりするくらい珈琲とよく合うんです。
ぜひ、この「原点」を味わいに来てください。

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