巡る、豆棚の記憶
みなさん、こんにちは。MAMEHICO東京スタッフの草ヶ谷美香です。
MAMEHICOの店内には、私たちが「豆棚」と呼んでいる棚があります。
この棚は、お店に合わせてすべて特注で家具屋さんに作ってもらったもので、どれも2m以上の高さがあり、どっしりとした存在感があります。
合板などは使わず、ウォルナットなどの固くてしっかりとした木の板を組み合わせて作られているため、とても重く、ちょっとやそっとでは動かせません。
けれど、年月が経つほどに味わいが増していくので、手入れをしながら使い続けています。
以前、三軒茶屋店の隣で、MAMEHICOの購買部として「マメヒココーヴァイヴ」という売店をやっていたことがありました。
そのお店は建物の建て替えに伴って閉店となり、店内に並んでいた珈琲豆やクッキー、雑貨たちは行き場を失ってしまいました。
そのとき、ふと目を向けられたのが、三軒茶屋店の豆棚でした。
2005年の開店当初から、壁の一面のほとんどを覆うように設置されている大きな棚です。
「豆棚は、小さなコーヴァイヴということにしよう!」
井川さんのその一言をきっかけに、コーヴァイヴの閉店とともに、三軒茶屋店のプチリフォームが行われました。
長テーブルと、それを照らす照明の位置を豆棚から少し離して配置し、棚の前にゆとりのある通路を確保しました。
それまでは席からなんとなく眺める存在だった豆棚が、自然と人の目を引き、立ち止まってゆっくり見てもらえる場所へと変わったのです。
それ以来、豆棚はコーヴァイヴの意思を引き継ぎ、MAMEHICOの中で売店の役割を担うようになり、今に至ります。
また、かつて渋谷にあったカフエマメヒコにも豆棚がありました。
もともと「マメヒコパート3」のために作られた豆棚は、建物の立ち退きによる閉店をきっかけに、同じ渋谷の宇田川町店へと移設され、巡り巡って、今は御影店にあります。
一方、渋谷店にあった豆棚は公園通り店へと移り、さらに時を経て、現在は銀座店と、オープン間近まで準備が進みながら延期となっている福岡・糸島店に分かれて置かれています。
こうして豆棚をたどっていくと、MAMEHICOが渋谷の街で奮闘していた頃の記憶が、ふと蘇ってきます。
まだ新しい店内に、どこか歴史の気配を感じるのは、そんな渋谷の面影が残っているからかもしれません。
三軒茶屋店の豆棚は、ずっと同じ場所から。
ほかの豆棚は、各地を旅しながら。
MAMEHICOが変化しながらも変わらずあり続けていることを静かに見守って、今日も店の片隅に佇んでいるのです。
