対話から「やりたい」へ
みなさん、こんにちは。MAMEHICO東京スタッフの草ヶ谷美香です。
MAMEHICOの店主である井川さんは、スタッフにも、顔なじみのお客さんにも、何気ない瞬間に話しかけます。
「最近、どう?」
MAMEHICOにいると、本当によく見かける光景です。
とても自然に、ときには少し唐突に、その問いが投げかけられますが、声をかけられた人の反応はさまざまです。
「ちょっと、聞いてくださいよ〜…」と最近の身の上話をする人もいれば、「『どう?』と言いますと……??」と、何を話せばいいのか戸惑ってしまう人もいます。
どんな反応の人に対しても、話を聞いたり、自ら話したりしながら、井川さんは一人ひとりと向き合います。
そんな光景を、私はこれまで何度も目にしてきました。
実は私も、その「最近、どう?」がきっかけで、MAMEHICOのお客さんからスタッフになりました。
忘れもしない、2014年の夏。
今はなき渋谷の宇田川町店で、毎週土曜日の朝に行われていたトークイベントに足繁く通っていた頃のことです。
イベントが終わり、お手洗いに並んでいると、隣のカウンター席に座っていた井川さんに声をかけられました。
「最近、どう?」
当時の私は、人と話すことも人前に立つことも苦手で、なるべく存在感を消して日々を過ごしていました。
イベントには時間が許す限り参加していたものの、あまりに存在感を消していたせいか、長い間、井川さんには認識されていなかったほどです。笑
新卒で入った会社は変化が少なく、物足りなさを感じていた一方で、ずっと働き続けることもできそうだと感じていて、転職をすることなんてまったく考えていませんでした。
自分の奥にあった「何かやりたい」という気持ちに、蓋をしていたのだと思います。
でも、手を動かすことが好きで、何かやりたいと漠然と感じていた私の気持ちを、私自身が自覚するよりも前に、井川さんは感じ取って声をかけてくれました。
その日の立ち話はずいぶん長くなり、最終的には「MAMEHICOで何かやりたい」という話になって、そのままスタッフとして働くことが決まりました。
あの宇田川町店での立ち話をきっかけに、私は「今のままじゃなくて、何かやってみたい」という気持ちに気づくことができました。
そしてその年の11月、私はMAMEHICOのスタッフになりました。
スタッフになってからも、折にふれて井川さんは「最近、どう?」と声をかけてくれました。
自分の言葉で伝えることが苦手だった私も、そうしたやりとりを重ねるうちに、話すことへの抵抗が少しずつなくなり、気づけば人前に立つことへの恐怖心も和らいでいきました。
あの頃の私を知っている人からは、「ずいぶん変わったね」と言ってもらえるようにもなりました。
自分でもわかるほどの変化なので、「いや〜、こんな日が来るなんて思わなかったなぁ」と、つい口にしてしまうのですが、そう言うと井川さんには、いつも「また言ってるよ」と笑われます。
MAMEHICOには、特別にすごい何かがあるわけではありません。
でも、関わる一人ひとりと向き合い、話を聞き、うまく言葉にならない部分も汲み取りながら、とにかく気長に付き合ってくれる。
そんな井川さんがいて、MAMEHICOは続いています。
今年、新たに始まった「面白可笑ひこ学校」。
それは、そんな井川さんが開く、「自分」と向き合う時間です。
自分の思いを、自分ひとりの力ではうまく形にできない。
何かやってみたいけれど、どうしたらいいかわからない。
そんな人こそ、ぜひ扉を叩いてみてください。

面白可笑ひこ学校 梅雨
2026年 4月 15日(水)エントリー締切