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遠足をする、その意義とは

イベントスタッフの坂本です。

もう何年も前から、井川さんはMAMEHICOのお客さんたちを
巻き込んで「遠足」をやっています。

遠足というと、目的地が決まっていて、
みんなで行くものが一般的でしょうか?
旅程が書いてある栞なんて持っちゃって。
「お家に帰るまでが遠足です」とか言っちゃって。

でも、MAMEHICOの遠足は違います。
目的地を決めない散歩、という表現がいちばんしっくりきます。

集合時間と集合場所だけが決まっているので、みんなが集まったら出発!
ぞろぞろと列をなして、
歩いていて楽しそうな道をなんとなく選んで進んでいく。
まっすぐな幹線道路よりは、
くねくねとした裏道を進んでいく方が多いです。

ただ歩くだけなので、道端の雑草を眺めたり、
野良猫の写真を撮ってみたり、あぁもうこんな季節なのね!
と感想を口にしたり。
目的地が決められていないので、必然的に余裕があります。

お腹が空いたら、ピクニックシートを広げて、
手作りのお弁当を一緒に食べる。
おやつも、おっ!美味しそう!という個人店を見つけたら寄ってみる。
ハプニングはつきもので、突然土砂降りに見舞われたり。

まぁ、そんなふうに歩いているうちに、
いつもは見過ごしてしまうようなことが、目に飛び込んでくるのです。

以前、井川さんはこう言っていました。

『ボクたちの遠足の目的は、「輸送」ではありません。
「輸送」とは「出発地点と到着地点という点を直線で連結し、
荷物に変化を加えないよう横断させる行為」のこと』

MAMEHICOの遠足は、それに対するように、
「最終目的地が決まっておらず、歩みを進めるつど、
そのまわりの世界を感じて、それらと親密に関わりながら、
通り抜けていく運動」だと。
そして後ろを振り返ると、直線ではない、
寄り道で曲がりくねったライン、足跡が刻みこまれているんだと。

つまりは、新幹線のように、定規で線をびーっとひいたかのような路は、
効率性だけを最優先としているただの輸送なのです。
対して、てくてくと、時には寄り道もしてるような足跡は、
その人ならではの道が出来ているものです。
足跡とは、その人の身体の一部であって、身体性を伴うことでしょう。

あなたはどんな足跡で、どんな道を歩むのか。
そして、一人で早くたどり着くのか、
みんなと一緒に遠くまで歩くのか。

目的地は決まっていないけれど、道中で感じることはきっと多いはず。
あぁ。遠足の問いのようで、まるで人生の問いのようですね。

春も盛りの今日この頃、遠足シーズン突入です。

*****
4月にもメンバー向けに遠足の企画をしています。
興味がある方は、お店のスタッフまで気軽にお尋ねください。

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