たまたま、入日茜さんの歌と出会いました。
彼女はボクと同世代のシンガーソングライターです。
初めて彼女の歌を聴いたとき、
その歌詞とその声から、
赤と青、白と黒、大人と子供、男と女、
善と悪という、
対極にあるものたちをつなぐグラデーションを感じたんです。
それぞれの対極の間には無数の色合いや感情が存在する。
その微妙な違いこそが、本質ではないかとボクは思っているので、
早速、会いたいと連絡を取りました。
会って話をしてみると、彼女が音楽を始めたきっかけは、
映画音楽への憧れからだと語ってくれました。
それで、「cinemusica」という舞台を企画し、
この8月に上演したのでした。
井川
シンガーソングライターの入日茜さんです。
入日
よろしくお願いします。
井川
ところで、入日茜さんのお名前ですけど。
入日
はい。
井川
アーティスト名でしょうけど、どうやって名前を付けたか、まず最初に聞かせてもらっていいですか?
入日
出身は福井なんですけど、大学は奈良の大学に通ってたんです。
それでその時、私シンガーソングライターになろうと決めて。
それでオーディションがあったとき、応募するので名前を考えて。
井川
はいはい。で、その意図は?
入日
まず、宝塚歌劇団じゃないんですけど、
名字と名前がひとつに合わさったイメージを、
みなさんに持ってもらいたいなって。
井川
宝塚歌劇団?
入日
はい(笑)
黒木瞳さんとか、鳳蘭さんとか。
井川
あー。なるほど。
入日
はい。すいません。
井川
入日、、、茜、、、、ね。はいはい。
イメージできます。
入日
よかった、はい。
井川
日の出茜、じゃなくて、入日茜、ですよね。
入日
はい。入日です。
一同
ハハハ。
入日
夕日を眺める時って言葉がなくなりますよね。
人生を静かな気持ちで見つめる時っていうか。
私は福井出身なので、
夕日は日本海に沈むイメージが強いんですけど。
井川
入日さんの印象って、日本海の夕日、よくわかりますよ。
入日
明るかった太陽が、夜の世界に向かって行く。
最後の一瞬、燃えるような、何とも言えない美しさを放つ、そういうとこが好きで。
井川
マジックアワー。
入日
はい、そうです。
夕日の持つ力っていうか、そんな歌を作れるアーティストになりたいと願いを込めて。
井川
それで、入日茜。
入日
はい。入日茜です。
井川
なれてますよ、日本海の夕日のイメージ。
歌を聞けば、そのイメージ、浮かびますもの。
入日
(嬉しそうに笑って)
井川
ところで、入日さん、
お会いしたときから、その目が特徴的だなって。
入日
えっ、目、ですか?
井川
目っていうか、瞳。
ずっと瞳がキラキラって光ってるじゃないですか?
入日
光ってます?
井川
光ってます。
少年の目を持つ女性だなって、ボクずっと思ってたんですよね。
入日
ああ。少年みたいな声だねって言われることはあります。
目もか、、、
あっ、私。
井川さんに初めてお会いした時、
「このヒトには少年が住んでる」ってそう思いました。
井川
え。
入日
井川さんて「おばさん的なおじさん」でもあるけど、
少年でもあるなって、私。
井川
おおーーー。
そーゆうの、みんなにぜひ宣伝して歩いてください(笑)
「井川さんて『おばさん的なおじさん』ではなくって、
少年がそのまま大人になったような、
ス・テ・キなヒトなのよって。
一同
ハハハ。
入日
(笑)
入日
あの、ちょっと真面目な話をしちゃうんですけど。
井川
ええ、してください。
入日
ここにいるみなさんは、あたりまえかもしれないんですけど、みなさん大人ですよね、そして社会人ですよね。
一同
(黙っている)
入日
でもですね、心のなかには、誰しも子ども、
子どもだった自分を飼っていると思うんですね。
一同
(黙ってうなずく)
入日
私はそういう大人として振る舞う生き方、
それをどこか諦めたところがあって。
あえてこの歳になっても、
子どもの自分を隠さないで生きてきたっていうか。
そういう部分が、少年と言われる理由かもしれないなって。
井川
なるほど。
あっ、ボクも子どもの自分を隠さないで生きてるんで、
ス・テ・キな少年かもです(笑)
一同
ハハハ。