みなさん、こんにちは。MAMEHICO神戸・御影店長シゲちゃんの妻のみゆきです。
私自身、もともと「社会にうまく馴染めない」と感じてきた人間です。
いつも人の顔色を伺い、嫌われないように気を配るのが癖になっていました。
その分、家に帰ると気が抜けて、ただぐったりと横になる毎日。
小さい頃から歌が好きだったので、おとなになってからはカラオケ教室の先生の仕事をしていました。
夫のシゲちゃんは、その音楽教室を営む会社の管理職だったのです。
夫婦そろって音楽の仕事をし、そこそこに暮らしていたものの、コロナ禍で状況は一変しました。
「カラオケ」は感染対策の的となり、生徒さんたちは次々に離れていってしまったのです。
シゲちゃんも心労が重なり、やむなく教室を離れ転職。
なんとか採用してもらった新しい職場でも、不安と疲れは増すばかりで。
どう考え、どうしていったらいいか分からない。
そんな八方塞がりだったとき、私は東京のカフェ、MAMEHICOを知りました。
当時、代表の井川さんはご自身のHPで、「それでも、楽しく生きてゆく」という言葉を掲げていました。
コロナ禍のMAMEHICO。それはとても苦しい状況だけど、理想や信念は捨てず、かといってあんまり頑張らず、今できることを楽しく積み重ねていこう。
そんな考えを大切にしているようでした。
経営者であり表現者でもある井川さんは、いつもユーモアと余白を忘れず、困難のなか歩み続けています。
その姿勢がこの言葉に、そのまま表れているんです。
私たち夫婦は、この言葉に背中を押され、神戸・御影でお店を開く決心をしました。
吐きそうになるほど不安でしたが、物事は驚くほど順調に進み、なんとかお店を持つことができたのです。
開店の日、シゲちゃんと私、ようやく前を向けたねと、ほっと胸をなでおろしたのがまるで昨日のことのようです。
ホッとしたのも束の間、「それでも、楽しく生きてゆく」という言葉の意味は、お店を始めてからのほうがしみました。
とにかく、毎日のすべてが大変なのです。私はなにもかもが、ちゃんと、できないのです。
穴があったら入りたいとはまさにこのこと。
「ああ私は、ずっと逃げてきたんだな」と何度も思いました。
自分がこれほどまでに弱く、ずるいのか。
それを隠すために、私は人前で当たり障りのない、良い人を演じてきただけだったんだと、お店で起こる、様々な事件からバレてしまったのです。
そもそも向いてないんじゃないかしら。
夫婦揃って、何度も逃げたくなる事件がありました。
そのたび井川さんの、「それでも、楽しく生きてゆく」という言葉が傷ついた心にしみてくるのです。
夫婦で何度も話し合って、とにかく自分たちが変わっていく覚悟をもつしかない。
できない自分たちを受け入れて、世界のまんなかで堂々と生きていこう。そう決めました。
それはおかげさまで、どんなに落ち込んでも、店に立てばやらなければならないことはいっばいあるのです。
ドリンクやデザートを作ること、季節の花を活けること、隅々まで掃除を行き届かせ、明日のお客様を受け入れる準備をすること。
それを毎日、クタクタになるまでやりました。
そのうち「美味しかったわ」、「ゆっくりできたよ、ありがとう」、そんなお客様の声をポツポツといただけるようになりました。
その一言一言が、私たちを支えてくれたのです。
「もしかしたら、私たち夫婦でも、できることがあるかもしれない。誰かの役に立てるのかもしれない」
そう、自然に思うようになっていました。
そして今、私ははっきりと言えます。
私は、いま「それでも、楽しく生きている」のだと。
痛みも、悔しさも、悲しみも、消えたわけではないけど、それでも、毎日生きていて、楽しいのです。
こんなことは、初めてなのです。
だから今度は、あのとき私がもらった言葉を、これを読んでくださっているあなたに手渡したいと思っています。
ゴールデンウィーク。MAMEHICO神戸にいらしてください。
そして、思うところあったら私たち夫婦にひとこと声をかけてくださいね。お待ちしています。

2025.5.5・5.6
それでも楽しく生きてゆく
MAMEHICO神戸・御影にて
詳しくはこちらからどうぞ
⚫️ 開催日時・内容
5月5日(金)17:00〜18:30
「食べること、生きること、整えること」
MAMEHICOの食のこだわりは、単なる「美味しさ」ではなく、「どう生きるか?」という哲学から生まれています。「何を食べるか」は「どう生きるか」につながる——。カフェ経営を通じて食と人生の関係を追求してきた井川が、その視点から語ります。
5月5日(金)19:00-20:30
「お金に使われるか、お金を使うか」
MAMEHICOは、「お金に縛られない生き方」を模索しながら20年続けてきました。利益を追求するのではなく、人と人のあたたかいつながりや、心が揺さぶられる体験を大切にする経営を続けてきた理由とは?
※この回のみ 「本当に美味しい鮭弁当(お茶付き)」 をご注文いただけます(要予約・1,500円)。
5月6日(土)10:00-11:30
「それでも楽しく生きていく」
思い通りにならないときや、どんなに苦しい環境でも、「楽しく生きる」と決めることで、乗り越えられるものです。これは単なる「成功法則」ではなく、経験から生まれた知恵です。
5月6日(土)12:00-13:30
「変化を恐れない、変化を楽しもう」
MAMEHICOは、東京でカフェを立ち上げて20年。時代や環境の変化に合わせて、形を変えながら続けてきました。変化しながらも、自分のやりたいことを貫くにはどうすればいいのか? 変わり続けてきた実践者が語ります。
※この回のみ 「本当に美味しい牛肉弁当(お茶付き)」 をご注文いただけます(要予約・1,800円)。
井川さんの言葉は「これが正解」「こうすればうまくいく」ではなく、「あなたはどう生きたいか?」という問いです。「お金がないから無理」「変わるのが怖い」「どうせ自分にはできない」——そんな思い込みから、少し自由になります。何かを学んでメモを取るような場ではなく、聞いた後に「じゃあ、自分はどうしよう?」と考えたくなるような時間です。
⚫️ 井川啓央(いかわよしひろ)について
MAMEHICO代表。カフェ経営者、作家、演出家。
東京・銀座や神戸などでカフェを運営しながら、映画や演劇、音楽などの制作にも携わる。「人はどうすれば楽しく生きられるのか?」をテーマに発信を続け、YouTubeでは「天才よち丸ラジオ」を配信中。既存の価値観に縛られず、自由な生き方を探求している。
⚫️ 参加費
・1回:1,000円 + 1オーダー(ドリンクまたはフード)
・2回通し券:1,500円 + 1オーダー(ドリンクまたはフード)
※お弁当は別途要予約
⚫️ 定員・予約について
・各回 35名限定(予約不要・当日先着順)
・お弁当付きチケットは 要予約(お弁当はイベント開始時に提供)
⚫️ 注意事項
・イベント開催中は、参加者のみ入店可。通常のカフェ営業はありません。
・1オーダーはドリンクまたはフードのいずれかでOK(アルコールも可)。
・お弁当の予約は前日まで受付。