ネットのニュースを見ていたら、こんなことが書かれていました。
いわく、
「日本人は、他人を他人と割り切れない。だから、つい相手の行動を邪魔したり、足を引っ張ったりしてしまう。そういう意地悪な気質が社会の息苦しさを作り、それが経済の低迷の原因だと、ある研究でわかった」
と。
まぁ、幾分、話を大げさにしてるのがニュースだと知りつつも、ボクも日本人は意地悪だよなと思います。
この性格の悪さ、なんなのかねぇ、と溜息ついたり、悪態ついたりもします。
だけど。
MAMEHICOがこれまで、どれだけたくさんの親切によって支えられてきたのかも知っているんです。
支えられてきたというのは資金的な面ではありません。
なんていうか、精神面とでも言おうかしら。
とても静かで、とても地味な支えられ方を、お客さんからもスタッフからもされてきたのがMAMEHICOなんです。
2025年の7月で、MAMEHICOは20周年を迎えます。
MAMEHICOがこれまで続いてきたのは、目立たないけれど、確かにそこにいてくれるヒトたちのおかげでございます。
忙しい合間をぬって、ふらっと立ち寄ってくれたみなさん。
何年も変わらず無賃で手を貸してくれるみなさん。
何も言わずに、でも変わらずそこにいてくれるみなさん。
応援らしい言葉を言うわけでもなく、特別なリアクションをするわけでもないみなさん(笑)。
「もう少しわかりやすい励まし方したっていんだよ」って、時々思うこともありますが、それがMAMEHICOらしさ、日本人らしさなのかもしれないなと、このニュースを読んで感じたのです。
ボクたちには数々のピンチがありました。
けれど振り返ればやっぱり、そういう静かなヒトたちの支えが、MAMEHICOを守ってきたことは間違いないわけで。
この節目に、静かな支えにどうやって向き合うべきかを考えました。
そもそも彼ら彼女らは「MAMEHICOを支えてきた」なんて自負も自覚もないかもしれない。
だから「20年間ありがとー!これからもよろしくー」なんてボクが抱きつきにいったとしても、「ちょっちょっ、なんですかいきなり、警察呼びますよ」と、こちらの好意を受け取ってくれないに決まってます。
そもそも意地悪なんです。
それに。
ボク自身、それほどみんなに感謝しているわけでもないのです。意地悪なんで。
そもそもボクは、「売る側」と「買う側」という関係が好きじゃない。
とくにカフェは誰かの居場所です。
居場所なんだからボクが一人で作って維持するのはおかしな話で、利用するヒトが、つまりスタッフもお客さんもともにこの空間をつくっていくのが「筋」だと思っているんです。
ボクはたまに「オーナー」なんて呼ばれることもあるけれど、MAMEHICOを所有してる感覚なんてこれっぽっちもないんです。
そんなこんな考えているうちに、「豆ポイント」という仕組みをやろうと思いつきました。
これは、どれだけ『お金を使ったか』ではなく、どれだけ『いてくれたか』を可視化する仕組みにできないかと思っているんです。
「いる」は「する」より、ずっと難しいことですからね。
いままでもこれからも、目に見えない関わりを見える形にしたらどうなるんだろうという、いたずら心です。
いまなら9月まで来店ごとに3ポイント差し上げます。
店頭で渡すカードに3つ印をつけます。
HPでも同じように、ログインすればそれだけでポイントがつくようにしました。
目立たないけど、「ここにいた」という記録が残せたら面白い。
ポイントを集めると何かがもらえる、というものでもないんです。
マイレージカードのような仕組みは、よそで散々やってるし、ボクは釣るのも、釣られるのも嫌いなんで。
これから始める「豆ポイント」、「ちゃんとあなたを見てますよ」という、ちいさなメッセージの代わりだと思って、よければ付き合ってやってください。
