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[読みもの]生姜ジンジャーシロップの秘密と作り方

gingertop

紆余曲折、試行錯誤の
生姜ジンジャーサイダー

マメヒコは原価計算をして、
メニューを作るということはしません。
とにかく、美味しいものを作る。
何度も作ってみて、
美味しくできたものをメニューに並べます。

そしてそれから、値段をつけます。
値付けしてみると、
安すぎるなというものも出てきます。
でも、それは仕方ない。
いくら低い原価に収まっていたって、
お客さんの心に届かなければ
次に来てもらえることはないのです。

だから、ヒトの心に残るものを作り、
そしてそのように演出して提供することが
マメヒコの大事にしているところです。

このマメヒコの生姜ジンジャー(サイダー)は、
開店以来10年間、不動の人気です。
その味わいがきっと、とても個性的だからでしょう。
使っている材料は砂糖と生姜だけ。
それだけだからこそ、作るのがとても難しく、
いい仕上がりで出すことは難しい。

ここだけの話ですが、
これだ!という生姜ジンジャーを出すことは、
美味しい珈琲を出すことより、ずっと難しいのです。
すべてを手作りしているマメヒコの中でも、
これほど紆余曲折、試行錯誤を経ているメニューは他にありません。

生でこそ生姜なのであって

日本で栽培される生姜の品種は
根茎の大きさなどから、
大生姜、中生姜、小生姜があります。
小さいほど辛い。

マメヒコではあまり辛くならないよう、
大生姜を使います。高知が主な生産地です。
この生姜を使って、生姜ジンジャーシロップを作ります。

日本人が生姜という時は、
生のことを言います。
すりおろしたものだったり、千切りしたものだったり。
薬味ですね。

お寿司屋さんのガリも、
スライスして甘酢漬けにした生姜です。
生で食べるから、生姜なんであって、
そのあたりのことについては、
マメヒコはすごくこだわりがあります。

生姜とジンジャーはまったく別なものです

生姜のことを、ジンジャー、ジンジャーと
みなさん何気なく呼んでますけど、
あれ。ここではっきりと申し上げますが、
その呼び方、間違っています。

生姜のかわいい呼び名として、
「ジンジャー」を定着させるのはやめていただきたい。
それは間違いですよ、とここではっきりと申し上げます。
みなさん、特に考えずにごちゃまぜに使っていますが、
それは無頓着過ぎます。

古代インドで使われていたサンスクリット語。
その辞書を紐解くとシンガベラとある。
意味は「角(シンガ)の形(ベラ)をしたもの」。
これがジンジャーの語源です。

生姜の根茎がありますね。
あれが鹿の角によく似ているからだと(似ているかね?)。
そのシンガベラを乾燥させ、
欧米にたどりついたものがジンジャーです。
だから欧米人はジンジャーといえば、
乾燥した粉のスパイスだと思っていて、
まさか、あれがゴツゴツとしたものだとは
微塵も思っていないのです。

なぜかって?
それは、ヨーロッパやアメリカでは
そもそも、生姜が穫れないからです。
生姜なんてものを見たくても見ることもできない。
ありがた過ぎる存在なんです。

なのに、いいですか。
日本では生姜がうんと穫れる。
だから、「生姜」が不自由なく手に入る。
それなのに、欧米を見習って、
ジンジャーエール、ジンジャーエールと
ありがたがっているのはいかがなものか。

生姜を乾燥するなら、それはもう生姜じゃない。
生のものを「生薑(しょうきょう)」、
干したものを「乾薑(かんきょう)」。
古くから、この2つをはっきりと違ったものだよと
区別していたんです。
昔のヒトは偉いですね。馬鹿なのは今のヒトですね。 

ここまでわかりましたね。
みなさんは、目の前で新鮮なイカが捕れるのに、
遠く欧米のヒトたちが干物を食べているからと、
イカ刺しでなくスルメって美味しいよね、
と言っているようなものだと言いたいのです。

いささか激昂しすぎて、論理が破綻してしまいましたが、
気持ちは汲んでいただきたい。
ジンジャーは、生姜のカワイラシイ呼び方ではないということを。

せっかく、生姜が穫れる国に生まれたのですから、
マメヒコでは、生姜をまるごと搾ることにしたのです。

生姜を搾るのは低速ジューサーです。
この機械で、繊維とエキスにきちんとわけます。
まず生姜を細かく切って、ジューサーにかけます。
低速ですから、時間がかかります。
3台持っているので、大量に仕込むときはフル稼働です。ここで皮や繊維が出てきます。
このカスにもまだまだ
生姜エキスがたっぷり含まれているので、
さらに2回、同じ機械にかけます。

こうして出た最後の繊維を食べても、
もはや、生姜の味がまったくしません。

ここまできちんと搾り出した生姜エキスは、
とてもとてもさわやかな香りがします。スーッとします。
マメヒコの生姜のシロップは、
文字通りこの生姜のシロップそのものなのです。

シロップの色は生姜ではなく
お砂糖の色です

お店の品格、と言ったら大げさですけど、
そういう芯みたいなものを決めるのは、
表から見えないところです。

例えば、基礎調味料。それもその最たるものの1つだと思います。
マメヒコで使う砂糖は3種類です。
上白糖、素精糖(生活クラブのきび砂糖)、グラニュー糖です。
砂糖はこの3つを必ずブレンドして使います。

グラニュー糖グラニュー糖は粒状にした砂糖という意味です。
なにを粒状にしたと思いますか?
氷砂糖を粒状にしたものです。
だから氷砂糖もグラニュー糖も、
どちらもショ糖の結晶で、
どちらもスッキリした甘さが特徴です。

上白糖一般的に砂糖と言われるものは、上白糖のことですね。
触ってみるとしっとりとしているのが特徴です。
これはグラニュー糖に転化糖を足しているからで、
そのせいで、しっとりと水分を持ちます。

スポンジケーキやパウンドケーキのように水分が多く、
しっとり仕上げたい時には上白糖を使いますし、
クッキーみたいな水分が少ない方が良いものはグラニュー糖の方を使います。

素精糖一方、素精糖は、
サトウキビの絞り汁から作ったシロップから、
糖蜜を減らして乾燥させたものです。
だから、ほんのり黒糖のような味がして、
味わいに深みがあります。

この3つはそれぞれに長所があり、
それぞれに短所があります。
それをうまく使いこなすことが、味の品格を決めるんですね。

生姜を乾かしジンジャーシロップを作る

日本では、もっぱら生で食べることから
生姜と呼ぶのに対し、
ヨーロッパやアメリカでは
干した生姜が主で、
それをジンジャーと呼んでいるのだと
さきほど言いました。
だから、生姜とジンジャーは、生のものと乾いているもので、
元は同じだけれど、違うものだよ。そう申し上げました。

マメヒコでは、日本で穫れた生姜の香りこそを
シロップに移したいと考えて、
香り高い生姜を一滴まで無駄にせず搾りだし、
それをシロップにします。

しかし、それだけでは、ただの生姜シロップです。
マメヒコはさらに、別に生姜を乾燥させ、
ジンジャーシロップも作ります。

晴れた日に、細かく砕いた生姜をざるに並べると、
色が赤褐色に変わり、ゆっくりとですが乾いてくる。
日持ちさせることが目的ではないので、
完全に乾かさなくても構わない。

半乾きの状態になったら鍋に移します。
そして、それに砂糖を加え、鍋で静かに煮ます。
するとジンジャーシロップができるのです。煮ているところ3

だれでも作れるよう保温鍋で作る

マメヒコのレシピは、
だれでも作れることが大切です。

働くスタッフたちは、
マメヒコで一生働こうなんて思っていません。
一生どころか、長くて3年。
短いヒトだと1年もいません。

そういうものだから、
スタッフに熟練した技を求めてはいけません。
楽しく愉快に働きたい、
気のいいヒトたちの集まりなのです。

シェフはフライパンが振れるようになると
一人前といいますが、
それはそのとおりです。
料理で一番気を配るのは、
塩加減と火加減だからです。

生姜シロップも、鍋で長いこと煮ると、
作業の仕上がりで味が変わります。
火の味が入るといいますか、
火が強すぎると鍋肌の砂糖が焦げ、
それが味や匂いに移ってしまうのです。

そんなときだれがやっても確実なのが保温鍋です。
生姜と砂糖を入れた鍋をひと煮立ちさせ、
あとは保温し放っておけば、
弱火で熱が入り続け、
また水分も蒸発しないので糖度も大きく変わりません。

シロップを漉せるヒト

ジンジャーを保温鍋で煮出したら、
シロップを漉さなくてはいけませんが、
まぁ、これが手間なのです。

生姜をさらしの袋に入れます。
そしてその袋を手で搾っていきます。
圧搾器のようなものがあれば良いのですが、
そういうものはありません。だから手で搾っていくのです。搾る2搾る1

こういう作業は、出来るヒトとできないヒトがいます。
年齢、性別は関係ありません。
水気がなくなるまで固く雑巾を絞れるヒトはできます。

コツは一度に袋にたくさん入れてはダメです。
少しずつ、手早く入れるのです。
固く張った乳を搾るように、シロップを力強く搾ります。

袋から琥珀色の美しい滴がスーッと落ち、鍋に溜まっていきます。
ジンジャーシロップには主に素精糖を使うので琥珀色なのです。

生姜シロップの爽やかな香りとスッキリとした甘さに対し、
コクと辛味を足すのがこのシロップの役割です。
溜まったシロップは糖度を測り、ひと煮立ちさせて完成です。

生姜シロップと
ジンジャーシロップを合わせる

生姜の持つ香りと、きれいな黄緑色を活かした生姜シロップ。
そして琥珀色のジンジャーシロップ。
この2種類のシロップを混ぜ合わせて新しいシロップを作ります。

できたばかりの生姜ジンジャーシロップを飲んでみました。

「爽やかで辛味もある。
けれど、今までのお客さんには、
少し物足りないかもしれませんね」

「素精糖の持つサトウキビの香りと、
大生姜の辛味がとても合いますね。
ともに暑いところで育つ作物だから、
どこか通じ合うものがあるんでしょうね」

こうやって、生姜シロップとジンジャーシロップの割合を何度か変え、
マメヒコの新しいシロップは出来上がります。
そしてまた、お店でお客さんに飲まれることで、
たくさんのスタッフに何度も作られることで、
さらに改良が加えられ、新しい定番となっていくのです。


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生姜ジンジャーシロップ 200ml

生姜ジンジャーシロップ(大瓶) 720ml

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