| 井川 |
だから、マメヒコとして豆を信じようと。 |
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そんなこと言うと大げさだけど。 |
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豆ならいけるなと。 |
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初めてでも無肥料でも豆なら何とかなるかなと思ったわけ。 |
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| メヒコ |
豆は根っこに根粒菌という形で |
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空気中の窒素を定着させる力があるのよね。 |
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昔から豆を育てれば土は肥えるってね。なんだかね。 |
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そんな風にね、言うのよね。 |
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| 井川 |
あのね。 |
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ほら、このまだ若い。未熟な大豆をね。抜いてみて。 |
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| メヒコ |
いいの?かわいそう。 |
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| 井川 |
いいから。 |
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| メヒコ |
大豆ちゃんごめんね。 |
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えいっ。 |
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| 井川 |
ほら見て。 |
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ここ。 |
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| メヒコ |
あら。あらあら。 |
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これ根粒菌? |
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| 井川 |
そうです。 |
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すごいでしょ。 |
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| メヒコ |
すごい。 |
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| 井川 |
まぁ今年だめでもね、 |
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こうやって根粒菌はついたんだから、 |
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来年はもっと豆の力でこの土は肥えるんじゃないかと。 |
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| メヒコ |
そうね。 |
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もしかしたら、十分肥えてる土地かもわからないし。 |
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それは誰にもわからないわけよね。 |
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ここで暮らしてきた雑草だけがほんとのことを知っている。 |
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| 井川 |
そう、少なくともボクらよりここのことは雑草だけが知っている。 |
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| メヒコ |
うんうん。まぁ無肥料だということはわかりました。 |
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| メヒコ |
まぁその結果どうだったかは、おいおい聞くとして。 |
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| 井川 |
はい。 |
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| メヒコ |
まず、1.この土地を区画整理した。 |
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| 井川 |
はい。 |
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| メヒコ |
それで、2.ここに、これこれ植えようと決めた。 |
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| 井川 |
はい。 |
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| メヒコ |
そこまで聞きました。 |
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で、そのあとはどうしたわけ? |
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| 井川 |
えっと、ハタケの区画整理のあとの作業は。 |
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ボクは芝を植えること。 |
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まいちゃんとあいちゃんは、畝切りです。 |
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| メヒコ |
ではまず芝植えから聞きましょう。 |
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芝を植えたのは、このハタケの入り口のアプローチでしょ。 |
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いまこのあたしたちのいる小屋に向かって、道になっていて。 |
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その両サイドが芝生になっている。 |
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| 井川 |
そうです。 |
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なんとなくハタケの入り口が芝生だといいなと。 |
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それで芝生にすることにしました。 |
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ここが40m×10mなんですが、 |
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ざっと400㎡。 |
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| メヒコ |
400㎡。130坪ほど。 |
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| 井川 |
それに見合う芝を地元の園芸屋さんに頼んだら。 |
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すごい量のロール状になった芝をトラックで持ってきたんですね。 |
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| メヒコ |
うん。 |
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あれ、芝ってロールになってるの? |
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| 井川 |
ボクも始めて知ったんだけど、 |
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太巻きみたいになってるのね。 |
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これがトラック一杯分届いた。 |
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| メヒコ |
それを敷いていくんだ。 |
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楽しそう。 |
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| 井川 |
それがね。 |
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ボクが留守中に届いたんだけど、 |
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業者のトラックが |
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ハタケの脇に置いてってくれなかったの。 |
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| メヒコ |
うんうん。 |
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| 井川 |
あすこの木の下にね。 |
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ここから100mくらい離れたところにどさっと置いてった。 |
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| メヒコ |
あら、 |
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少し遠い。 |
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| 井川 |
ここではそういうことが命取りなわけよ。 |
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| メヒコ |
そこからここまで運ぶだけでも、 |
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| 井川 |
・・・一週間かかった。 |
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| メヒコ |
あーあ。 |
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| 井川 |
トラックでここまで来てくれりゃね、敷くだけでよかったのに。 |
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まぁだれかが、「じゃぁその辺に置いてください」って言ったんだろうね。 |
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| メヒコ |
何気なく言ったんだろうね。 |
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その辺でって。 |
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| 井川 |
その辺でって。 |
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そのあと雨降って、もう、ものすごい重いの。 |
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| メヒコ |
太巻きが、水吸っちゃったんだ。 |
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| 井川 |
そうそう。それを最初は猫車で運んでたんだけど。 |
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最後には頭に来て。 |
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何でボクはネコを押してるんだ(怒)。 |
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ネコはぬかるんだところはひっくり返るし。 |
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誰だ!芝貼るなんて言い出したの、この馬鹿野郎(怒)。 |
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| メヒコ |
あんたやがな(笑)。 |
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| 井川 |
そうだ、アイツだ。あの馬鹿野郎。って自分の頭をたたいたりして。 |
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| メヒコ |
落語か。 |
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| 井川 |
そうなの。 |
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それで途中でやけになって、米山さんにショベルカーを借りて。 |
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それでいくらかは楽になったんだけど。 |
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| メヒコ |
運転できるの? |
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| 井川 |
できまんがなぁ。 |
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手で運ばなくて済むならなんだって運転する。 |
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| メヒコ |
ハハハ。 |
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| 井川 |
結局、都会人なんだよ。 |
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すぐ、頭に来ちゃう。 |
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| メヒコ |
ここでは気長じゃなきゃだめでしょう。 |
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| 井川 |
ほんと。 |
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いちいちイライラしちゃう。 |
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で、これをはしから、一枚ずつ敷いていったわけ。 |
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| メヒコ |
ご苦労様でした。 |
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| 井川 |
そうしたら。途中で驚愕の事実が。 |
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| メヒコ |
なあに? |
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| 井川 |
普通これだけの広さなら種を播くもんだがなって。 |
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| メヒコ |
種?芝の種? |
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| 井川 |
ロール芝は難しいし、値段も高いんだしなって。 |
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種ならずっと簡単なんだがな。 |
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早く言えよぉ(怒)。 |
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| メヒコ |
そりゃそうよね。 |
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あたしもおかしいと思った。 |
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ゴルフ場なんかはみんな種でしょ。 |
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| 井川 |
知らねぇっつーの。 |
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| メヒコ |
あれだけの広さをロールを敷くなんて大変。 |
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| 井川 |
ロール芝しか知らないから。 |
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| メヒコ |
仕方ないわよ。なんでも勉強よ。 |
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ロールの方が早く仕上がっていいのよ。 |
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| 井川 |
そうやって芝を敷き終わったの。 |
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この一週間つらいこともあったけど、 |
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がんばったよオレ。よくやったよオレ。と悦に浸ってたら、また驚愕の事実が。 |
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| メヒコ |
今度は何。 |
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| 井川 |
あなたの敷き方は根本的に間違ってると。 |
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下地をきちんと整備してからしかないと根が張らないって。 |
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| メヒコ |
あなたの生き方は根本的に間違ってる。 |
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