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[読みもの]マメヒコの珈琲教室 深煎りと浅煎りの話 2

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珈琲文化が根付く町、札幌の
菊池珈琲

マメヒコが珈琲豆を仕入れている
自家焙煎珈琲の店「菊地珈琲(キクチコーヒー)」は、
北海道・札幌にあります。IMG_0537マメヒコのオーナー、井川は大学生の頃、
札幌で珈琲をよく飲んでいたそうです。
札幌に住んでいたわけではないけれど、
ただ、珈琲を飲みに札幌に行く。
思えば贅沢な時間を過ごしていたのですね。

いくつもの喫茶店に足を運んだそうですが、
そのなかでも特においしい珈琲を出す喫茶店があり、
家でもそこの珈琲豆を取り寄せて飲んでいたそう。

余談ですが、札幌は珈琲文化が根付いている町です。
おいしい水にかわいた空気、
そして北海道自体が珈琲の焙煎に向いている。
もくもく煙が出ても文句を言われないくらいの、
土地の広さがありますからね。

井川が10年前、マメヒコという珈琲の店をやろうと思った時、
真っ先に浮かんだのがそこの珈琲でした。
その喫茶店に、「どこで焙煎されている豆なんですか?」
と聞いたところ、出てきた名前が「菊地珈琲」だったのです。

ただ焦がしてすむなら
焙煎師なんかいらない

すぐに菊池珈琲に足を運び、焙煎師の菊地良三さんに会いました。
出てきたのは、見るからに職人気質のおじさん。
「豆を卸していただけないでしょうか」と言っても、
「東京には配達しません」の一点張り。
菊地さんの珈琲しか考えられない、と頼み続けると
菊地さんは僕の意志の固さに根負けしたのか、
最終的には豆を卸すことを了承してくれたのです。1さあ、どんな豆を仕入れよう。
井川が「いま日本の珈琲は深煎り傾向だから、
深煎り珈琲をやっていきたい」と言うと、
菊地さんは渋い顔をしました。

それもそのはず、菊地珈琲の豆は基本的に
すべて浅煎りだったのです。
菊地さんは
「ただ焦がしてすむなら、焙煎師なんかいらない」
と言いました。
深煎りすぎる珈琲豆は、
黒焦げになった魚や食パンと一緒なのだ、と。
それぞれの食材には旨味が引き出される焼き加減があり、
その狙い通りに焼くからこそ、料理をする意味がある。
それが、珈琲における焙煎だ、
という考えを持っていました。

すっきりと飲み干してほしいから
2倍の手間をかける

理想の浅煎り珈琲をつくるために、
菊地珈琲では開業以来、「ダブル焙煎」を貫いています。

これは、生の豆を一度焙煎釜に入れて、
焼きあがらないうちに一度取り出し、
冷ました上でもう一度焼くという方法です。

もちろん、一度で焼くよりも2倍の手間がかかります。
でも、一度の焙煎で浅煎りにしようとすると、
中が生のままになってしまう。
それは、口当たりの悪い酸味や渋みにつながります。
二度焼きすることで、表面を焦げ付かせず、
生豆の水分を丁寧に飛ばすことができるのです。

まず一度めの焙煎。
珈琲豆の芯まで火が通るように、じっくりと焼きます。

3

そして、釜から取り出します。
それを冷やし。
つづいて、二度めの焙煎でその豆にあった深さで焼きあげるのです。

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窯出しの瞬間はまさに真剣勝負。
火元を目で確かめながら、耳では豆のはぜる音を聞いています。

6

一気に焼きあげて。
5

今だという瞬間で、釜から出します。
出したら、予熱が入らないように、
急いで冷やします。

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菊地さんは、苦い珈琲を出すのは焙煎師として
恥だと思っています。
それは、焙煎の深度が深すぎるということだから。

菊地珈琲は喫茶店も運営しているのですが、
菊地さんの誇りはお客さんが珈琲を飲み終わったあと、
絶対に水を飲まないこと。
それくらい、すっきりと飲み干せる珈琲。
それは、いまのマメヒコにも受け継がれています。

菊地さんにここまで聞いて、
浅煎り珈琲を扱わない訳にはいかない。
そこで、マメヒコでは
当時の日本の珈琲界に逆行して、浅煎りを扱うことにしました。

(続く)

次の記事:Lesson 4 深煎りと浅煎りの話 3


マメヒコの珈琲教室


Lesson 1 美味しい珈琲の3つの条件
Lesson 2 深煎りと浅煎りの話 1
Lesson 3 深煎りと浅煎りの話 2
Lesson 4 深煎りと浅煎りの話 3

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