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菊地良三(よしみ)-珈琲焙煎師。札幌 菊地珈琲代表。67歳。
1941年(昭和16年)北海道・音更出身。
ジャガイモや豆を作る畑作農家に生まれる。8人兄弟。
札幌の大学を卒業後、大手珈琲商社に就職し、45歳で独立。自家焙煎珈琲
の店「菊地珈琲 キクチ珈琲」を開業した。
http://www.kikuchicoffee.co.jp
長年の経験による独自の珈琲は、主に札幌市内の喫茶店に届けられている。
2005年以降、都内では唯一、カフエ マメヒコに珈琲豆を卸している。

若い頃から身を粉にして働いてきた。
菊地良三、67歳。
独立開業していなければとうに定年である。
定年なく働けるいまを、菊地は感謝している。

菊地「毎日珈琲運んで、お客さんの笑顔を見てね。楽しいいい仕事です」

高級車など乗りたくない。洒落た格好などしたくない。
モット贅沢スレバイイノニ。社長ナンデスカラ。
よそはよそ。
欲はなく。けしていからず。いつもにこにこ笑っている。

vol2-5-2.jpgそんな菊地にもたったひとつの趣味がある。
「庭いじり」。

午後の配達が終わり、菊地は夕方に仕事を切り上げる。
そのあとは自宅の庭をいじる。

自宅はマンション。
ここに菊地と妻のまり子、息子の博樹と、親子3人で暮らしている。

1階部分の2戸を繋げているため、かなり広い。
そのため庭も二つある。
ひとつは30年にもなる梅や寒椿が咲く鑑賞の庭だ。
庭は主を物語る。
庭木の隅々にまで細かく手入れが行き届いている。

もうひとつの庭には整然と木が植わっている。
リンゴ、ヒメリンゴ、ブルーベリーだという。
柵にはブドウが蔦をからめている。
庭は主を物語る。
そういえば食べられる植物が多い。質実剛健。
こっちの庭では親しいヒトとバーベキューを囲む。
菊地のちょっとした楽しみだ。

vol2-5-3.jpg夕食の準備は菊地が作る。家事はまったく苦ではない。
料理にはそれほどこだわりはないが、レパートリーは豊富だ。

菊地の料理はなにより手早い。
日が落ちきらないころには用意ができてしまう。
家族が揃えば、一緒に食卓を囲む。
ときには同じマンションに住む社員もそこに加わる。
社長がふるまう夕食を、社をあげて食べる。

夕食が済めば、菊地はすぐに寝る。
明日も5時起きだ。

菊地「若いころならまだ無理もきいたからね。
朝早く店を開けて、夜遅くまで営業で駆け回って、時には付き合いでお酒呑んで。
それでも翌朝同じように起きられたから。
でも今はそうはいかないもんな」

明日朝6時から100%の状態で仕事をするために、今なにをすべきか。
それは早く寝ること。
早く寝るために、早く夕食をとる。
菊地はけして走らない。常にペースを乱すことはない。
同じ時間に同じことを同じようにするよう心がけている。
仕事に対する集中力を保ち続ける。

またあした同じ朝を迎える。
6時47分に店を開ける。
髪をセットする時間も、髭をきれいにそり上げる時間も、
短く爪を切る時間も、ネクタイをまく時間もおそらく全部決まっているのだ。
つまり。
それがプロフェッショナルなのだ。

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mamehicoヒトヒコヒトヒコ2週:菊地良三さん菊地良三(よしみ)-珈琲焙煎師。札幌 菊地珈琲代表。67歳。1941年(昭和16年)北海道・音更出身。ジャガイモや豆を作る畑作農家に生まれる。8人兄弟。札幌の大学を卒業後、大手珈琲商社に就職し、45歳で独立。自家焙煎珈琲の店「菊地珈琲 キクチ珈琲」を開業した。http://www.kikuchicoffee.co.jp長年の経験による独自の珈琲は、主に札幌市内の喫茶店に届けられている。2005年以降、都内では唯一、カフエ マメヒコに珈琲豆を卸している。 若い頃から身を粉にして働いてきた。菊地良三、67歳。独立開業していなければとうに定年である。定年なく働けるいまを、菊地は感謝している。 菊地「毎日珈琲運んで、お客さんの笑顔を見てね。楽しいいい仕事です」 高級車など乗りたくない。洒落た格好などしたくない。モット贅沢スレバイイノニ。社長ナンデスカラ。よそはよそ。欲はなく。けしていからず。いつもにこにこ笑っている。 そんな菊地にもたったひとつの趣味がある。「庭いじり」。 午後の配達が終わり、菊地は夕方に仕事を切り上げる。そのあとは自宅の庭をいじる。 自宅はマンション。ここに菊地と妻のまり子、息子の博樹と、親子3人で暮らしている。 1階部分の2戸を繋げているため、かなり広い。そのため庭も二つある。ひとつは30年にもなる梅や寒椿が咲く鑑賞の庭だ。庭は主を物語る。庭木の隅々にまで細かく手入れが行き届いている。 もうひとつの庭には整然と木が植わっている。リンゴ、ヒメリンゴ、ブルーベリーだという。柵にはブドウが蔦をからめている。庭は主を物語る。そういえば食べられる植物が多い。質実剛健。こっちの庭では親しいヒトとバーベキューを囲む。菊地のちょっとした楽しみだ。 夕食の準備は菊地が作る。家事はまったく苦ではない。料理にはそれほどこだわりはないが、レパートリーは豊富だ。 菊地の料理はなにより手早い。日が落ちきらないころには用意ができてしまう。家族が揃えば、一緒に食卓を囲む。ときには同じマンションに住む社員もそこに加わる。社長がふるまう夕食を、社をあげて食べる。 夕食が済めば、菊地はすぐに寝る。明日も5時起きだ。 菊地「若いころならまだ無理もきいたからね。朝早く店を開けて、夜遅くまで営業で駆け回って、時には付き合いでお酒呑んで。それでも翌朝同じように起きられたから。でも今はそうはいかないもんな」 明日朝6時から100%の状態で仕事をするために、今なにをすべきか。それは早く寝ること。早く寝るために、早く夕食をとる。菊地はけして走らない。常にペースを乱すことはない。同じ時間に同じことを同じようにするよう心がけている。仕事に対する集中力を保ち続ける。 またあした同じ朝を迎える。6時47分に店を開ける。髪をセットする時間も、髭をきれいにそり上げる時間も、短く爪を切る時間も、ネクタイをまく時間もおそらく全部決まっているのだ。つまり。それがプロフェッショナルなのだ。