忠類から幕別へ向かう林の中の町道を走っていて一年前のことを思い出す。

去年の今頃は、廃屋の農家を探してこの道を何度も走った。

廃屋を見つけて、そして改装し、そこを拠点にしようと考えていた。

きれいに改装し、できればそこをハタケの拠点、兼、

十勝 カフエ マメヒコ としてやったりしようと思っていた。

そのために土地探しをした。

そのうちに気持ちが変わって、

どうせカフェをやるなら十勝ではなく富良野がインじゃないかと思って

富良野や美瑛を見にも行ったし、

どうせ富良野なら札幌こそ良いのではないかと札幌近郊の土地も見に行った。

大樹町の道はあくまでテンポラリーだと、冷めた目で走っていた。

 

けれど、いまは全くそう思わない。

同じ道を走っていても、そういうことは不思議なことにまったく思わない。

廃屋があれば、いちいち車を降りて見に行っていたが、いまはそんなことはしない。

 

それはすでにハタケに素敵な自分たちの小屋が建っているからだし、

日当たりの悪い冷涼地のハタケではあるけれど、

今年は少し芝の雑草が減っているし頼もしくも愛おしくも見えるし、

小屋には東京のマメヒコに行くのを待つ大豆、小豆、インゲンやらが、

しこたまあるし、それが少しばかり自信になっているのである。

今年は去年なんかよりうんと取ってやろうと欲を出していたりもする。

半年ぶりに再会したヒトたちとの接し方もまた違ったものになっているけれど、

とどのつまり、ボク自身が変わってしまっているのだ。

去年より少しばかり声も態度も大きくなってここにいる。

 

実は、カフエ マメヒコのデザインを考えている。

実は、こっちでマメヒコをやることを考えている。

まだはっきりとは言えないし言わないけれど、たぶんやるだろうことになっている。

そういうアイディアは去年の今頃は思わなかったし、

カフェをやろうかとは思っていたけれど、

今考えているようなアイディアはまったく考えてもみなかった。

 

季節が移ろい、同じ景色が繰り返され。

その風景は同じに見えてまったく違って見えている。

同じところを回っているようで、昇っていったり下りたりしている、

らせん階段を歩いているのである。

変わっているのは自分だし、自分が変われば世界などいとも簡単に変わってしまう。

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mamehicoハタケマメヒコ '11 十勝忠類から幕別へ向かう林の中の町道を走っていて一年前のことを思い出す。 去年の今頃は、廃屋の農家を探してこの道を何度も走った。 廃屋を見つけて、そして改装し、そこを拠点にしようと考えていた。 きれいに改装し、できればそこをハタケの拠点、兼、 十勝 カフエ マメヒコ としてやったりしようと思っていた。 そのために土地探しをした。 そのうちに気持ちが変わって、 どうせカフェをやるなら十勝ではなく富良野がインじゃないかと思って 富良野や美瑛を見にも行ったし、 どうせ富良野なら札幌こそ良いのではないかと札幌近郊の土地も見に行った。 大樹町の道はあくまでテンポラリーだと、冷めた目で走っていた。   けれど、いまは全くそう思わない。 同じ道を走っていても、そういうことは不思議なことにまったく思わない。 廃屋があれば、いちいち車を降りて見に行っていたが、いまはそんなことはしない。   それはすでにハタケに素敵な自分たちの小屋が建っているからだし、 日当たりの悪い冷涼地のハタケではあるけれど、 今年は少し芝の雑草が減っているし頼もしくも愛おしくも見えるし、 小屋には東京のマメヒコに行くのを待つ大豆、小豆、インゲンやらが、 しこたまあるし、それが少しばかり自信になっているのである。 今年は去年なんかよりうんと取ってやろうと欲を出していたりもする。 半年ぶりに再会したヒトたちとの接し方もまた違ったものになっているけれど、 とどのつまり、ボク自身が変わってしまっているのだ。 去年より少しばかり声も態度も大きくなってここにいる。   実は、カフエ マメヒコのデザインを考えている。 実は、こっちでマメヒコをやることを考えている。 まだはっきりとは言えないし言わないけれど、たぶんやるだろうことになっている。 そういうアイディアは去年の今頃は思わなかったし、 カフェをやろうかとは思っていたけれど、 今考えているようなアイディアはまったく考えてもみなかった。   季節が移ろい、同じ景色が繰り返され。 その風景は同じに見えてまったく違って見えている。 同じところを回っているようで、昇っていったり下りたりしている、 らせん階段を歩いているのである。 変わっているのは自分だし、自分が変われば世界などいとも簡単に変わってしまう。