2010/07/15

第2回 畑の前の前の畑作り/メヒコの部屋 初夏の畑編

 
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井川 ボクも育ちはずっと東京で、田坂も結城もそうです。
だからなんていうか、厳しい現実?
を知らないって言うのはあります。
北海道でなんか楽しそうっていう。
あなたは離農したり夜逃げしたりした人たちのこと知らないから、
そんなのんきなことやってられるんだと、
こっちの人に軽く嫌みを言われました。
メヒコ ほんとだわ。
井川 でもね、まぁとにかく一通りやってみてね、
それからどうしようって言うことを
考える人たちが集まってるから。

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メヒコ でやってみてどうだったの。
井川 まだやってると言ってもひと月ちょっとですから、
何とも言いようがないんだけどもね。
ここは十勝でも南の、もうすぐそこが海っていう、
大樹町というところなんですけど。
そこにインカルシペというところがあって、
白樺の原生林が残されているのね。
そこに米山さんという方がいらして、白樺の樹液を採ってらして。
マメヒコでその樹液を使って
珈琲を淹れてたことがまぁ縁でして。
それが5年前。
メヒコ あたしも飲んだことあります。樹液。
無色透明で、ほんのり少し甘いのよね。
そういう白樺に囲まれた場所でこうしてね。
井川 農業っていうのはやりたいと思っても、
ぱっと始められないんですね。
農地法というのがあって、おまえ農業やる気あんのかよ。
そうじゃないとやらせないよっていう、閉鎖的な法律がある。
だから簡単にお金で土地を買ったりできないの。
それでこの土地を、
ここは原野に近い
草ボウボウになってたとこだったんですけど、
そこを借りて春になって耕して、今みたいな畑にしたんです。
メヒコ ここは草ボウボウだったわけ?
井川 そうです。
さすがにこの土地を起こすのは人の手では無理なんで、
大型のロータリーで土を何度も起こしてもらって。
それでこの状態にして。
メヒコ あら手じゃ無理なの?
井川 無理です。
昔の農家は一家に馬を必ず飼っていて、
その馬に土起こしをやらせたみたいだけど。
いまは機械を使わないと、恐らく難しい。
メヒコ なら馬もついでに飼えばいいじゃないの。
井川 まぁそれはそうですけど。
メヒコ お馬さん飼うなんてすてきじゃない。
井川 ボクと結城と田坂と3人で春先に立ちどまって、
さぁどうしようかってね。
いざとなると、途方に暮れまして。
メヒコ 経験もないのにね。2人が不憫でならないわ。
井川 今年の春は天候が最悪だったの。
お茶ヒコのお茶摘みに例年より2週間ほど遅れたしね。
茨城にね、行くんです毎年。
それが今年は遅れて、その足で北海道に行ったんだけど、
とにかく5月ごろまで
まだ畑の周りに雪が残ってるという状態で。
メヒコ 5月に雪が残ってるなんて。
井川 そうなんです。普通ね。
カッコウの鳴き出す頃には豆まきだぞというのに。
ほんとに遅かった。
昨年は100年に一度の不作と言われたんだけど、
今年はさらに悪いと。
メヒコ それで。
井川 もうハナから諦めモードで。まぁこれじゃ無理だなと。
でもね。
とりあえずこっちに来ちゃってるしね。
メヒコ 帰るわけにはいかないしね。
井川 それで作物を絞ろうと。大豆一本に絞ろうと決めて。
とにかく大豆畑を1.5ha作ることにしたわけです。
でね。
とにかく採寸をしなきゃというところから始めたわけです。
長いメジャーをホームセンターで買ってきて。
50mの。それで測って。
まずこの土地がいったい
如何ほどのものかというところから知らなきゃねと。
それで土地の面積を測ってったんです。
メヒコ 測るのも難しいんじゃない。

井川 そうなんです。
大きいものを測るというのは意外と難しい。
少しの誤差でずいぶんと違って来ちゃう。
まっすぐ引っ張ってるつもりでも、それがまっすぐじゃなくてね。
直角に線を引くのも見た目では広すぎてわからない。
それで最初の何日はまず長さを正確に測れない。
メヒコ そうね。ちょっとずれただけでもすごい誤差でしょ。
井川 この土地は真四角の1.5haだと思って借りて、
測ってみるんだけど。どうも合わない。
それでね、google mapでね、
この土地の衛星写真で見てみたの。
メヒコ ハイテク!
井川 そしたら驚愕の事実が発覚したの。
この土地は四角じゃなくて三角形だったの。
メヒコ あーた四角と三角じゃ相当違うじゃないの。
井川 そうなの。けどわかんないんですよ。
そこに立ってみたら四角だかどうかすらも。
それでさらに、驚愕の事実が。
メヒコ なになに宇宙人が写ってたとか。
井川 いままで南だと思っていたのが東だったんです。
メヒコ あーた。何もわかってないんじゃないの。
井川 そう。なんにもわかんなかったの。衛星写真見るまでは。
見た目にはわかんないんですよ。
どどんと四角いと思ってた土地が実は三角だったとか。
でもそれで、大体のあたりをつけて、
寸法を測ったら。また驚愕の事実が。
メヒコ なによ。
井川 1.0haしかなかった。

メヒコ よかったわね。始まる前に気付いて。
気づかなかったらいろいろとおかしなことになってたわね。
井川 そうです。それで正確な土地の面積を割り出して。
作付け計画って言うのかな。
どこに何作ろうって考えたんですね。
メヒコ それがこれなのね。
あらほんと三角の土地に、大豆、小豆、ひまわり、野菜…。
またずいぶんと細かく分かれてるのね。
井川 全部手作業でやるわけでしょ。
機械なら1ヘクタールなんてわけないです。
けど手でやるとなったらやっぱり大変だなって思ったのね。
メヒコ そうね。それで細かく分けたのね。
井川 土の中を歩くって大変なんですよ。
とくに湿気を含んだ土は重くてね。
長靴にくっついて。土の中を歩くだけで疲れちゃう。
だから、まずはあぜ道というか畑の真ん中に道を造ろうと。
それでここからこうやって
まっすぐに道を造る計画にしたわけです。
それで50m行ったら横に走る道を造って。
また50m走ったら横に道を造って。

メヒコ 確かに縦横に道が走ってる。
この道をアベニューとかストリートって呼んでるんですってね。
それはそのニューヨークにちなんで?
井川 そうです。縦に走るのをアベニュー。
横に走るのはストリート。
50丁目、100丁目、150丁目とあって、アベニューを挟んで
ウエストサイド、イーストサイドって。
8区画にわけて管理することにしました。
メヒコ そうすれば管理しやすいわね。
井川 畑の右側は森なので日当たりが悪いんですね。
午後になると日陰になってくる。
だからなるべく左をメインにして。
区画を小さくするのは大規模農業としては効率悪いですけど、
人間がやるには小さな目標があった方がいいですから。
今日は50thストリートまで除草しようとかね。
目先の目標がないと、なんだか悲しくなる。
先が見えないと女の子は悲しくなるでしょ。
メヒコ そうかもね。
井川 だから、まず真っ先にしたのは、
測量とその道路を造ることでした。
道はふかふかの土を固める機械を借りてきて。
それに畑に行くまでの道は、
ふきとクマ笹で車も入れない状態でしたから。
それを刈り払い機で刈って。
ハタケの入り口にはパワーショベルを使って芝生を敷いて。
メヒコ 畑の前の前の畑作りという感じ。
井川 そう、いまはさらに前の前の前の畑作りだったなと。
それからがまた大変で。

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