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みんなたちへの豆教室 VOL.6

みんなたちへの豆教室 VOL.6

 

08autumn04-01.jpg
みんなほんと何も知りませんね。
ササゲは小豆に似た豆です。
ぱっと見ても区別つかないです。

関東では赤飯にどうしてササゲを使うかというとね。
アズキだとね、どうしても皮が破れてしまうんです。

そのことが、江戸の侍は気に入らなかった。

餅屋「このたびはおめでとうございます。お祝いに私ども自慢の赤飯を炊いて参りました。お召し上がりくださいませ」
お侍「餅屋」
餅屋「へぇっ。いかがでございましょう」
お侍「腹が割れておる」
餅屋「はっ」
お侍「豆の腹が割れておる」
餅屋「ハハハハハハ。小豆のやつはなにぶん皮が破れやすいたちでして。お味には」
お侍「餅屋っ。祝いの宴の席で豆が切腹しておるとはなにごとじゃ」
餅屋「いやでも、小豆は皮が破れるのがなんていうか」
お侍「うつけ!(刀抜いて) 貴様の悪事は全て露見した」
餅屋「いや悪事って」
お侍「この場にて、潔く腹を切れ!」
餅屋「ば、馬鹿な~!!」
お侍「小豆にできることを、おまえにできぬことはあるまい」
餅屋「しょしょ将軍様」
お侍「不届千番、覚悟」

長くなりますからやめますけど。
まぁウナギなんかもそうで、どうも関東のひとは煮崩れするアズキを忌み嫌ったみたいなんですね。

それくらいアズキは割れる。

08autumn03-04.jpg でもそこがいいところなんです。
皮が破れて中から呉が出てきてくれなきゃあんこは作れません。
煮崩れたアズキの皮をこしたのが、こしあん。
皮も残せば、つぶあんです。

小豆の一大生産地と言えば、それはもう十勝です。
もう地平線の果てまで小豆畑というところです。

そもそも十勝で豆の栽培が始まったのは明治初期なんだそうです。
十勝は、火山灰の土壌ですから、当時の重要な動力源だった馬で畑を起こしやすい環境だった。
豆を作るのに適していたんですね。
さらに秋の乾いた気候は、刈り取った豆の乾燥にも適していたっていうんですね。
だから北海道で盛んに豆を作るようになった。

さらに、寒暖の差が激しいところですから。
昼間、暖かくても夜になるとがくんと冷える。

そういうところで採れた作物っていうのはおいしんです。

でもね。
実を言いますとね。

十勝で小豆を作るというのはかなり無理がある。
無茶なんです。
小豆というのは、本来、暖かいところの植物です。
知らなかった?
知らなかったでしょ。
そうなんですよ。
だから十勝になんか向いてないんですね。

なのに日本の一大生産地でしょ。
つまり、そもそも無理がある。
だからいろいろな悲劇が起きるんです。