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みんなたちへの豆教室 VOL.26

みんなたちへの豆教室 VOL.26

 

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 「片見月」がどうして嫌われたかって元をたどっていくとね。

江戸時代の遊郭の客寄せキャンペーンに行き着く。
調べたらそう書いてあるんですね。

あっややこしいですけど、十五夜と十三夜は、15の方が13より先です。
中秋の名月で知られる十五夜は今の9月。
十三夜は10月です。

十五夜を見たら、十三夜も見よう。
っていう遊郭のキャンペーン。

女「月がきれい」
男「ほんとだ。でもおめぇさんの方がきれいだよ」
女「うまいこと言って」
男「ほんとだとも」
女「じゃぁ、15も見たら13も見てくれるんでしょ」
男「ごめん。十三夜は無理なんだ」
女「えぇー。片見月なんだ」
男「ごめんよ」
女「あたいほっとくんだ。ほっといて片見月しちゃうんだ」
男「わっ、わかったよ」
女「カタミヅキ」
男「まいったな」
女「カタミヅキ、カタミヅキ」
男「くっ、来るよ。来ますよ」
女「ほんとっっ!!うれしい。待ってる。13に来るの待ってるから、もう予約入れちゃう。お豆用意して絶対待ってる」
男「うん、あっ、あっでも、あんまり期待するなよ」
女「来なかったらカタミヅキ」
男「もしかしたらさ」
女「カタミヅキ」

長くなるんでやめますけど。
この十三夜は「豆名月」とも呼ばれて、大豆を供える習慣があったらしんですね。
なんで大豆なのって思うでしょ。
ちゃんと理由がある。
十三夜っていうのは現代の10月初め頃にあたります。
2008年は10月11日だった。
つまり、ちょうどその頃、十三夜の晩に、豆を収穫すればいんだぞ、っていう昔の人の知恵なんです。

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ついてきてる?
いいですか。おさらいしますよ。

中秋の名月の十五夜のあとにもう一度満月になるのが十三夜です。
その十三夜は現代の10月にあたる。
だからカレンダーのない頃は月を見て、
そろそろ大豆を刈り取るころだなって判断したっていうことなんです。
だから「豆名月」。

この習慣は帯広の遊郭でもあったんでしょうか。
どうかしら。
あったとしても豆成金の農家さんは月夜の晩に遊んでる場合じゃないですから。
商売あがったりだったかもしれません。
だって満月の夜は収穫しなきゃなんないから。

これはマメヒコに豆を送ってくれている砂田さんから聞いた話しです。
砂田さんは芽室(めむろ)町の豆農家の生まれです。

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砂田さん「たしかに。
わたしが小さかったころはね、満月の夜は家族総出で豆を収穫した記憶があります。
それはね。
ちゃんと理由があったの。
豆っていうのは収穫の時に畑がね、濡れてなきゃだめなの。
乾燥させた豆っていうのは触っただけでもね、さやからこぼれちゃう。
だから晴れた昼間に収穫なんてやったら、みんなこぼれちゃう。
昔は一粒でも、もったいないもったいないって拾ったんだ。
だから。
満月の夜。
畑へ行ってみると、大豆がぴかぴか光ってる。
夜露でしっとりと濡れてるんだよね。
青く光る月明かりの中で、両親も兄弟も家族総出で、朝まで豆を収穫したんだわ。
農家の子は満月の夜、学校そっちのけで収穫したんだ」

ちょっと時代をさかのぼれば、あまりに大きな変化に驚いてしまいます。
きっと何年かすれば、「いま」もまた、考えもつかないような昔話になっていく。
ボクらもまた月夜に浮かぶシルエットなのかもしれません。

2009年は10月30日が十三夜です。

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