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みんなたちへの豆教室 VOL.19

みんなたちへの豆教室 VOL.19

 

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平間の母さん「玉ねぎは、おっかないよ。一皮に一回薬まくんだから。そうしないと、形がいびつになって売れないっていうんだから」

平間さんのとこは無農薬でタマネギを作ってます。
タマネギはほんとに農薬をたくさん使うそうです。
最低20回は農薬をまくように農業指導がある。
じゃが芋も農薬をかなり使う。
最低12回はまく。
疫病にも弱いから、土地の消毒も欠かせない。
にんじんも農薬漬け。

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カレーなんて農薬カレーだよ。
どこかの農家さんが言ってた怖い言葉。
自分達が食べるためだけに野菜を作っている平間さんのお宅にお邪魔しました。

薪ストーブが家の真ん中にある。
平間さんが作った牡蠣の佃煮をお茶請けにお茶を飲む。
父さんはコーラスの練習です。

平間の母さん「冬の間の楽しみはね、この豆を手で選ってくこと。
いろんな豆が混じってるでしょ。
それを一粒一粒、選っていくの。
フフフ。時間はいくらでもあるもの。
春までにひとつひとつ全部、手で選ってく。
一粒だって無駄にしないよ。
もったいない。
きれいでしょ。このきれいな豆を選っていくうちに、冬が終わって春が来るのよ」

万能なF1種も大きな欠点があります。
それは一代限りでおしまいだっていうことです。
どういうことかっていうと、F1種の大豆をつくりますね。
それでできた大豆を来年植えても、同じような大豆にはならないんです。
植えたっていんですよ。
けど例え植えたとしても、同じ大豆にはならないんです。
コピーガードがかかってる。自家採取してもだめなようになっている。

つまり毎年種を買わなくちゃいけないシステムになっているんです。
今年高いお金を出して万能なF1を買っても、また来年、新しく種を買わなくちゃいけないってことです。

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F1種というのは、昔の種に戻そうと思っても、戻れないんです。
自分の畑だけ戻しても、まわりの畑から虫や風で交配するからです。こうして在来種は消えていってしまうわけです。
それは遺伝子組み換え作物も同じだと思います。

そういうところまで農業はなっている。

種子にしても、農薬にしても、除草剤にしても世界中からいろいろなものが入ってきてるわけで、各農家が農薬やだ、除草剤やだ、遺伝子組み換えやだ、なんて拒むことはできない仕組みができてしまっている。

平間さん「だってね、この豆はみんなどれもおいしいもの」

平間さんが煮た本金時の煮物を差し出して、食べなさいと勧めてくれる。
目が飛び出るほどおいしいなんてことはないです。
普通においしい。

「濃処の味は常に短く、淡中の趣は独り真なり」という言葉がありますが、目が飛び出るほどおいしいものなんていかがわしいと思ってます。
なんとなくおいしい。ものが一番おいしんですね。

畑で作ってるさまざまなインゲンは、夏にさやいんげんとして食べるんだそうです。
煮付けにしたりしておかずとして食べる。
だから自分の畑で作って食べる豆は、全部おかず豆。
こうして在来種が生き残っているんですね。

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ボクたちは東京にいますね。
どんな田舎の人たちも、東京で売れるもの、東京の人たちに喜ばれるものを作っているわけです。
作らされているとも言えるかもしれません。
だから、もとを正せばボクたちなんです。

マメヒコに北海道から届いた豆が虫だらけだったことがある。
虫食いで穴だらけになった豆は、やはり返品してしまうんですね。
見ばえが良く加工しやすい豆を求めてるのは、マメヒコなんですね。
豆が小さかったり、虫が食っていても、いいですよと。
そういう風にしていきたいですけど、
どうしても、そうはいかないですね。
しようと思ってますけど。

1月中旬。
遠くで地鳴りのような音が聞こえる。
オホーツクに浮かぶ、流氷と流氷がぶつかる音です。
薪がはぜるストーブの脇で、グローブのような母さんの手が、宝石のような豆をひとつずつ選っていく。
そして、牡蠣の殻を剥くアルバイトをしに、オホーツクの港へ出かけていきます。
ほんとうに働きものです。

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平間さんのようなかたがいる。
土に体をうずめることを苦とも思わずやっておられる。
だから在来種を無農薬でなんてことが実現できる。
きっと全国に平間さんがいるんだと思います。

農業は何とかしなくちゃいけないと思いますね。
バイオ農業は過去の秩序を捻じ曲げようとしている。
加害者も被害者も同じ時代です。

けどね。

平間さんの煮豆と牡蠣の佃煮はおいしかったの。
本金時の煮豆と甘辛く煮た牡蠣の佃煮がとってもおいしかった。
だから。ぜひ一度、ボクと一緒に平間さんところに行きませんか。
話しはそれからにしませんか。

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