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みんなたちへの豆教室 VOL.18

みんなたちへの豆教室 VOL.18

 

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海風が強くて、立ってるのもやっとの秋の日に。
二人はもくもくと収穫した豆の脱穀をしてる。
平間の父さんが、乾燥させた豆を、ショベルカーでガバっと持ってくる。
平間の母さんがそれを古いトラクターの動力を利用した脱穀機に突っ込んでいく。

平間の母さん「これはね、きれいでしょ。
さくらまめ。こっちはね。貝の模様できれいね。貝豆。クククククッ」

 
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北海道・湧別(ゆうべつ)。
平間さんの父さんと母さんは、ほんとに細々とね農業をしておられる。

平間の母さん「細々といってもね、30haの土地があるんだわ。クククク」

ヘクタールって読むんだよ。
ヘクタール。
ヘクタールって、わかる?
よくわからないんじゃない?

1ヘクタールはたてよこ100メートル。
100メートル×100メートルの土地。
30haといえばそれ30戸分だから。
確かに細々なんて失礼です。
東京ドームは約4.7ヘクタールですから、ご夫婦で広大な土地をやっておられる。

F1種ではない昔ながらの豆。いわゆるF1じゃない。
平間さんらは、おかず豆と呼ぶ在来種の豆を、まったくの無農薬で作っておられるんです。

ショベルカー一杯分の乾燥した豆さやを頑張って脱穀しても、
この袋の5~6分の1くらいにしかなんない。

ボク「手作業で疲れませんか」
平間さん「疲れるなんてあたし言わない。疲れるなんて言ったら、余計疲れるものぉ。キャハハハハ」

平間さんの土地はもともと水田だったんだそうです。
でも減反政策で畑作に変えた。
粘土質の土地で作物を作ったから実は結構苦労したって。

平間さん「キャハハハハ。フヒャヒャヒャヒャ。でもね。あたし知ってるの。疲れたって言えるってことはね。まだ疲れてないってこと。だってさ、ほんとに疲れたら、疲れたなんて言えないもの。グヒャヒャヒャヒャ」

おしゃべりな母さんに、無口な父さん。
世間の相場は決まってます。

大豆や小豆。
北海道でいま大量に作られているこれらの豆はほぼみんなF1種と思っていい。
農家の長い間の苦労。願いが結実した研究の成果で、冷害にも強く、たくさん穫れ、そして味もいい豆ができたわけです。
それはいいことです。
とっても良いことだと思います。
ただ、F1の普及によって、在来品種がなくなっちゃったともいえるわけです。
コンビニだけが残って、個性的な商店がなくなった。
F1品種が拡大したせいで、絶滅した個性的な品種がたくさんあるんだそうです。
そのことがこれから環境にどういう影響を及ぼすのか。
種をいじるなんて神を冒涜してるんだとかね。
わからないですけど、そういう事実が厳然とあって、ぼくらはその恩恵を受けてる代わりに、なんらかの罰を受ける可能性は無いとは言えないとゆうことです。

「今日はこれからよ、オレはコーラスだからよ」

町の老人会で明日コーラス大会があるんだそうです。
その練習に父さんは出かけていくんだそうです。
老人だけのコーラス大会。どんな光景なのかなって思います。

もうね。町を歩いても、ほんとにお年寄りしかいない。
どこ行っても、オーバーじゃなくお年寄りしかいませんよ。
平間さんに、息子さんはいらっしゃるそうですが、農業はやっておられないんだそうです。
なにをやるにも、父さんと母さん二人でやってる。

平間さんたちは自分たちが食べる分とほんの少しよそ様にあげる分として、無農薬で野菜を作ってます。
母さんはね。ボクに言うんですよ。

もっと土地いっぱいに野菜を作れたらって。
でも二人じゃ無理だから、土地の一部を牧場として貸してるんだと。
昔は全部やったんだけどね。

そのときは、ちょっと悔しいそうな顔でおっしゃる。
畑を持っているのに。作れない。
作れるのに作れない。
そういうのが一番農家さんにとって悔しんだと思うんですね。

平間の母さん「うちにあがってお茶飲みなさい。牡蠣の佃煮作ったのごちそうするから。ヒャヒャヒャ」